お金持ちになる男と貧乏で終わる男の思考習慣
2015年11月11日 公開 2024年12月16日 更新
『お金持ちになる男、貧乏で終わる男』(PHP文庫)より
“心の裕福さ”がお金を引き寄せる
自分の怒りを正当化し、いつまでもそれにとらわれている人がいます。しかし他人から不当な扱いを受けた、うまくいかないのはあの人のせいだと、心の中で恨み続けていると、途方もない時間と労力を費やすことになりかねません。
自分を正当化したくなるのは人情です。しかし、恨んだところで、相手は何の影響も受けません。自分の将来に向けて歩みを止め、希望を失わせるだけ。惨めになるだけ損です。
Aさんは、長年勤めた会社を昨年の春に退職しました。理由は、自分の能力を会社は認めてくれない、冷遇されてきたというものです。
彼を知る誰もが退職の理由に合点がいきません。
待遇は同年代の男性と比べて決して見劣りするものではありませんし、社長は人一倍彼を可愛がり自宅に招いたり、誕生日にはプレゼントをしたり、まるで兄弟のように接してきたからです。Aさんもいつも笑顔で颯爽と仕事をし、周囲からは「できる人」と評判でした。
その彼が会社を辞め、とった行動が彼を追いつめることになったのです。
会社や社長をよく知る人たちに「自分は会社に尽くしてきたのに……」と恨みや怒りを吹聴して回り、その行動はどんどんエスカレートしていったのです。
そうこうしているうちに、彼の人相が変わってきました。
笑顔が消え、姿勢はいつもうつむき加減で、身のまわりを構うことがなくなって、颯爽さとは程遠い風体になっていったのです。
新しい就職先を見つけようと試験を受けますが、軒並み不合格。アルバイトで食いつないでいましたが、どこに勤めても同僚ともめて長続きができないのです。友人も一人離れ二人離れて、彼の話を聞いてくれる人もいなくなりました。
このような例は私の周囲にも数多あります。人の欲求に際限はありませんから、はたから見れば恵まれているような待遇を受けていても、「物足りない」「私はもっと認められるべきだ」と傲慢になるのです。
そういう人は、失業や大切な人との別れのような人生の一大事に、現実を認めることができず、事の原因を自分以外の誰かに転嫁しがちです。
しかし、自分ではどうすることもできないことに怒りを溜め込んでも何も解決しません。
過去に固執しネガティブな感情にエネルギーを費やしたところで、いい事が起きるはずなどないのです。
そんな時間があるなら、嫌なことや辛い状況を忘れ、怒りの感情を消してしまうこと。
たとえ相手に非があったとしても、広い心で相手を許して前に向かう。
私が知る限りお金に好かれる人は、怒りに苛なまれたときには「自分にも悪いところがある」と怒りをコントロールしています。
人を責めず、相手を受け入れる用意ができているのです。
負のエネルギーで自分の心が汚されるのが我慢できない、怒りや嫉妬といった中に身をおくのが心地悪くてしかたがない……。
お金に好かれる人は、怒りでエネルギーの無駄遣いをしない人です。
どうにもならない過去に縛られるか、前向きな感情で自分を満たし明るい未来へつなげるかで、お金の流れも変わってきます。
お金に縁がない、お金がはいっても直ぐに無くなってしまうという人は、「心のベクトル」が正しいかどうかを確認してください。
いつも寛大でポジティブな気持ちでいれば、お金は微笑みながらあなたの元にやってきます。お金に恵まれていない現実があっても、心だけは豊かでいる。
正のエネルギーは、決してあなたを裏切りません。