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生き方

思い込みを捨てよう!~「気にしない」習慣

植西聰(著述家/心理カウンセラー)

2015年11月19日 公開 2022年10月06日 更新

 

冷たい態度をされても落ち込まない

 恋人の携帯に電話をしたら、つっけんどんな応対をされた。
「私のことが嫌いになったのかしら……」
「他に好きな人でもできたのかしら……」
 そんなことで悩む人が意外と多いものです。
 そういうときは、相手の事情を推し量ってみるといいと思います。
 わかりやすくいうと、相手の立場になって物事を考えるようにするのです。
 これを「代理想像」といいます。
 そうすれば、「ひょっとしたら、会議の最中だったのかもしれない」「仕事が忙しくててんてこ舞いしていたのかもしれない」と思えてくるだろうし、必要以上にそのことで悩まないですみます。

 上司が冷たい応対をしたときも同じです。
 相手の立場になって物事を考えるようにすればいいのです。
 「そういえば、数日前から歯が痛いと言っていたなあ」「子供の成績が伸び悩んでいると聞いた」といったことを思い出すでしょう。
 そうすれば、そのことで悩まずにすみます。

 勝手な思い込みで悩む暇があったら、「代理想像」を行い、相手の立場になって物事を考えるようにする。
 それだけでも、心がスッと晴れるようになるのです。

 

自分のせいだと思い込まない

 前項で、勝手な思い込みで悩む暇があったら、「代理想像」を行い、相手の立場になって物事を考えるようにしようと述べましたが、その延長線として、もう一つ、他人の心情を複数の観点から考察するのも、悩みをなくすうえで効果的です。

 たとえば、道を歩いていたら、知り合いの女性が前から歩いてきたので、軽く会釈をしたら、相手は無視して、そっぽを向いて行ってしまったとします。
 このとき、たいていの人は「私は彼女に嫌われているのかもしれない」と考えがちですが、そういうときにこそ、次のように解釈してみるのです。
「彼女はいつもコンタクトレンズをつけている。きっと、今日はつけ忘れたのだろう」
「ひょっとしたら、考え事をしていたのかもしれない」

 商談がうまくまとまらなかったときも同じです。
 自分の営業のやり方に問題があったと考えると、悩みが増大するです。
 そういうときも、「もしかしたら、先方さんには予算がなかったのかもしれない」「わが社のサービスを導入するのは時期尚早だと思ったのかもしれない」と考えるようにすれば、あまり自分を責めないですみます。

 人は大なり小なり思い込みという色メガネをかけて物事を判断するところがあります。
 まずは相手の心情を複数の観点から考察してみましょう。
 このクセをつけておくだけでも、悩みは激減するようになるのです。

 

<著者>植西聰(うえにし・あきら)
東京都出身。学習院大学卒業後、資生堂に勤務。独立後、「心理学」「東洋思想」「ニューソート哲学」などに基づいた人生論の研究に従事。1986年、20年間の研究成果を体系化した「成心学」理論を確立し、人びとに喜びと安らぎを与える著述活動を開始。95年、「産業カウンセラー」(労働大臣認定)を取得。ほかに、知客職(僧位)、心理学博士の名誉称号をもつ。おもな著書に、『「運命の人」は存在する』(サンマーク出版)、『へタな人生論よりイソップ物語』(河出書房新社)、『いいことを引き寄せる100の法則』(ポプラ社)、『ブレない心の磨き方』(経済界)、『「カチン」ときたときのとっさの対処術』(ワニ文庫)、『「折れない心」をつくるたった1つの習慣』『心の支えを失ったあなたへ』(以上、青春出版社)、『運がよくなる100の法則』(集英社be文庫)、『話し方を変えると「いいこと」がいっぱい起こる』『「いいこと」がいっぱい起こる!プッタの言葉』『「いいこと」がいっぱい起こる!老子の言葉』(以上、王様文庫)、『花を咲かせる100のルール』(アスペクト)、『マーフィーの恋愛成功法則』(扶桑社文庫)、『イラスト版幸運がやってくる55の習慣』『「悪い流れ」がガラリと変わる魔法の習慣』(以上、PHP研究所)など。

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