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生き方

「自分はダメだ」と落ち込まない、他人から責められたときの対処法

片田珠美(精神科医)

2015年12月20日 公開 2023年01月11日 更新

最もつらい思いをするのは?

本人が一番つらい思いをするのはCで、罪悪感や自責感があまりにも強くなると、ただ自分自身を責めるばかりで、これからどうすればいいのかに考えが及ばないかもしれない。場合によっては、何をやっても無駄だという無力感にさいなまれるかもしれない。

なので、お勧めは真ん中のBということになる。忘れてはならないのは、非難や叱責の対象になっている点については改めなければならないが、必ずしも「自分はダメだ」と思う必要はないということだ。

一層頑張らせようと善意から責める人は、ダメな点だけを具体的に指摘するはずで、あなたの能力や価値を全否定して、けなしたり軽蔑したりするようなことはしないはずだ。

もし、そんなことをする人が周囲にいたら、あなたの心の中に罪悪感をかき立てようとしているのではないか、場合によってはあなたを傷つけようとしているのではないかと疑ってかかったほうがいい。

いずれにせよ、まずは責められていることに正当な根拠があるのかどうか見きわめることが大切だ。100%正当とはいえないにせよ、それなりの根拠があることがわかったら、その現実を受け入れて、真摯に向き合うしかない。

そういう場合、どうしても「自分はダメだ」という思いが募るが、自分のマイナス面ばかり見つめて沈み込んでしまってはいけない。成功しなければならない、他人を失望させてはいけない、何でもきちんとしなければならない……という完璧主義にとらわれている人ほど、他人から責められると落ち込みやすいので、要注意である。

そんなところが自分にあるなと気づいたら、信頼できる人に話したほうがいい。一人で自分のマイナス面だけ見つめて、「だから自分はダメなんだ」などとクヨクヨと思い悩んでいても、堂々めぐりで、何の解決にもならないのだから。

恥ずかしがらずに他の誰かに話すことによって、ダメな自分から少し距離を置けるし、気持ちも軽くなる。完璧主義者ほど、自分のダメな部分を見せたがらず、自分だけで抱え込んでしまうものだが、誰かに話してみて、そういう部分は多かれ少なかれ誰にでもあることがわかれば、何となく安心するはずだ。

また、ダメな部分をあえて他人に見せておくことで、嫉妬されたり警戒されたりすることから身を守れるという防衛的な側面もあることを忘れてはならない。

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