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「やっかいな人」との人間関係を整理しよう

片田珠美(精神科医)

2016年11月21日 公開 2023年09月12日 更新

「想像力ゼロ」タイプ

相手の弱点やコンプレックスなどを平気で口にするデリカシーのない人。本人にしてみれば親切心や親しみから出た言葉かもしれないが、「これを言えば相手がどう思うか」という想像力が決定的に欠如している。他人を傷つけている自覚のない「天然型」と、意図的にひどいことを言って喜んでいる「策士型」がいるが、どちらもタチが悪く「やっかい」だ。

対処法

「私」を主語にして返すことで相手に「悪かった」と思わせる

→「私はあなたのことを信頼していたのに、ショックだった」

一般論や伝聞を装って抗議し、焦らせる

→「話が長い人は嫌われるってネットニュースで読んだよ」

 

「ルーズ」タイプ

他人の物を勝手に使い、借りた物も返さない。遅刻しても平気。自分と他人との境界線があいまいで、世間一般の常識やモラルに無頓着な人がこのタイプである。子供の頃から誰にも注意されなかったのか、「自分だけは許されると思っている」節がある。こちらが注意すると、「細かいなぁ」とまるで自分がおおらかな人間であるかのように振る舞う。

対処法

こちらもルーズさで応酬し、一矢報いる

→「ごめん、私も付箋もってないやぁ(といって、自分が使うときは引き出しから付箋を取り出す)」

「私」を主語にして返すことで相手に「悪かった」と思わせる

→「待たされる私の立場にもなって、考えてほしい」

 

「土足で失礼」タイプ

よく言えばフレンドリーだが、一方で相手の気持ちや都合を考えることなく、他人の気持ちに土足で踏み込んでくる失礼な人。他人との境界線があいまいで、適度な距離を取ることができないため、距離が近く、初対面の相手や仕事相手にも馴れ馴れしく話しかける。自分が他人と親しく話すのが好きだから、「相手もそう感じているに違いない」と思い込んでいる。

対処法

境界線を設定することで、領域を理解してもらう

→距離感の近い相手に「私は、メールは週1でちょうどいいんだよね」

リミットを設定することで、自分の都合を理解してもらう

→「30分だけね。この後に出かける予定があるから」

著者紹介

片田珠美(かただ・たまみ)

精神科医

広島県生まれ。精神科医。京都大学非常勤講師。大阪大学医学部卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。人間・環境学博士(京都大学)。フランス政府給費留学生としてパリ第8大学精神分析学部でラカン派の精神分析を学ぶ。DEA(専門研究課程修了証書)取得。パリ第8大学博士課程中退。精神科医として臨床に携わり、臨床経験にもとづいて、犯罪心理や心の病の構造を分析。社会問題にも目を向け、社会の根底に潜む構造的な問題を精神分析的視点から分析。『無差別殺人の精神分析』(新潮選書)、『一億総ガキ社会』(光文社新書)、『一億総うつ社会』(ちくま新書)、『正義という名の凶器』(ベスト新書)、『他人を攻撃せずにはいられない人』(PHP新書)など著書多数。

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