中間管理職に向いているのは「中間子」!?
他者の性格を知るうえで、ヒントになるのが「きょうだい型」(兄弟姉妹の中で何番目の子供か)である。「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから」と言われ続けて責任感を身につける長子、兄姉を見て要領よく育つ末っ子、そんな上と下に挟まれる中間子、マイペースな一人っ子……。生まれ育った環境は少なからず人格形成に影響するはず。ベストセラー『不機嫌な長男・長女 無責任な末っ子たち』著者の五百田達成氏に、その性格分析とつきあい方についてうかがった。(取材・構成=内埜さくら)
【長子】たとえるなら、「A型のライオン」
長子の基本的性格
家族内でつねにトップに君臨してきた「王様」「王女様」。周囲の顔色を読む経験を積んでいないので、おおむね鷹揚でボーッとしている。自負心と自尊心が強く、人に任せられない性分で、人を支配しコントロールしようとする傾向がある。幼い頃から弟妹の面倒を見ていた経験上、大人になってからも責任感と面倒見の良さは抜群。生真面目で仕事を抱え込む一方で何事にもかかわりたがる。怒るときの口癖は「その話、聞いてないけど!」。
長子が抱えやすい悩み
・人に任せられず、仕事もストレスも抱え込む
・責任感が強すぎて「大きなお世話」と思われてしまうことがある
・人のミスやクオリティの低さが許せず、相手をコントロールしたがる
長子にはこう接する
面倒見がよく仕切りたがるが相手からのお礼がないと途端に態度が豹変。「一体どういうことなのか」と怒りを表明させないよう、上下関係を重視して「親しき仲にも礼儀あり」で礼節を尽くすこと。きょうだいのリーダーとして振る舞ってきているので、美しい日本語で責任感とプライドをくすぐる言葉がけも基本対応とする。誇り高い長子はいじられるのも苦手。親愛の情を示したつもりでも「バカにしているのか」と不機嫌になりかねない。
長子にはこのひと言が効く!
褒めるとき……「ありがとう」
叱るとき……「しっかりしなさい」
謝るとき……「反省しています」
頼むとき……「頼りにしてます」
【末子】たとえるなら、「O型の犬」
末子の基本的性格
家族みんなに愛されてきた「アイドル」的存在。サービス精神と社交性にあふれ、いつもピリピリしている長子を「大変そう」と横目に見ながら、楽しい毎日を謳歌しようとする吟遊詩人ともいえる。兄姉という「前例」をお手本に楽に生きる術を身につけているため、要領が人一倍よく器用。何に対しても無駄を嫌い損得を計算するため、作業効率の悪い仕事を嫌う。面倒事は親や兄姉が処理してきたので「誰かがなんとかしてくれる」という他力本願が信条。
末子が抱えやすい悩み
・責任を背負いたくないので、管理職にはなりたくない
・効率主義のため、古いしきたりや不合理な慣習が苦手
・兄姉というお手本を見て育っているため、前例がない仕事を嫌う
末子にはこう接する
楽しいことが大好きな圧倒的平和主義者なので、ノリよく明るく楽しく接することを心がける。末子のもう一つの行動理念が「損得勘定」。仕事に対価という「ご褒美」を求めるため残業代や食事など、目に見える交換条件をちらつかせて現実的に交渉すると、スムーズに仕事を進めてくれる。決断や責任が大の苦手なので、部下なら「やり方は任せた」と言うよりも、具体的に指示をするほうが動きやすい。上司が末子の場合は、逆に指示を出すつもりでいろいろお願いしてみると良い。
末子にはこのひと言が効く!
褒めるとき……「すごい!」
叱るとき……「次から気をつけて」
謝るとき……「代わりに○○させて」
頼むとき……「これが終われば○○だよ」