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59歳フリーランス男性が今になって後悔していること、していないこと

江上剛(作家)

2018年07月27日 公開 2022年06月06日 更新


 

人生100年時代、五十路は折り返し地点

第2の人生を意気揚々と送っている人の共通点は、それまでの仕事に誇りを持って、後悔していないことだ。中には、間違った判断もあっただろう、自分や他人を傷つけたこともあっただろう。しかしそれを悔やんでもせんないことだ。それはそれでその時は必死の判断だったのだ。

アメリカでコーディネーターをしている友人がいる。今、59歳だ。アメリカ生活は30年に及ぶ。子ども2人と妻との暮らしだ。

彼は、アメリカ取材に訪れる日本のマスコミからの依頼を受け、取材先のアポイントから案内、通訳となんでも精力的にこなしている。

彼は言う。

「まともに3年でも会社勤めをしていればよかったと思います」

彼は、有名私立大を卒業し、アメリカに留学した。そこでアルバイト感覚で始めたコーディネーターの仕事が本業になってしまった。だからどこにも勤務したことがないのだ。もしアメリカで何年か会社勤めをしていれば、年金が充実し、人脈ももっと豊かになったのではないだろうかと思うのだろう。

しかし、後悔はしていない。自分の仕事が楽しくて仕方がない様子で、全米を飛び回っている。

「夢は、ハワイで老後を暮らすことです。70歳まで働きますよ」

59歳とは思えない若々しい表情で夢を語る。自分が歩んできた人生を肯定的に考えている。確かにどこかの企業で勤務する選択肢もあっただろう。しかしそれを選択せずに、自由にアメリカ中を飛び回る仕事を選択した。多少、金銭面では安定せず、恵まれないこともあるだろうが、それを後悔してもどうなるものでもない。前を向いて進むだけ。そんな気持ちだろう。

50代を意気揚々と生きる人は、過去を後悔せず、まっすぐ前を向いて歩いている人だろう。そして50代を意欲的に意気揚々と生きれば、60代、70代も意気揚々と生きることができる。その意味で人生100年時代の折り返しである50代はターニングポイントであり、キーポイントだ。

※本記事は江上剛著『会社人生、五十路の壁』の一部を抜粋して掲載したものです。

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