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「自己肯定感」の高いリーダー、低いリーダーの決定的な違いはこんなところにあらわれる!

三浦将(「習慣力」エキスパート)

2018年10月03日 公開 2022年02月25日 更新


 

「自己肯定感」を高めると不安や心配が消える

「自己肯定感」とは、自分自身を認め、受け容れることができている感覚です。

分かりやすく言うと、自己肯定感の高い人というのは、基本的に「自分は大丈夫」と思えている人です。

人には誰でも、強みや弱み、長所や欠点があります。自己肯定感が低い人は、自分の弱みや欠点を気にし過ぎる傾向があり、そんな弱みや欠点を持っている自分を受け容れられないので、ついつい自分にダメ出しをすることが多くなります。

一方、自己肯定感の高い人は、弱みや欠点を持っている自分を「それでもOK」と、受け容れているので、必要以上にこれらに注目することがなく、自ずと自分にダメ出しする機会が少なくなります。

「自分はダメ」ではなく、「そんな自分もOK」と肯定することができるのです。場合によっては、その弱みや欠点に“見えるもの”が、強みや長所になりうるという感覚も持っています。

このため、「自分は大丈夫」という感覚を、自己肯定感の低い人よりもずっと強く持っています。それゆえ、心の安定度が高く、将来に対する不安や心配も、比較的少ない状態にあるのです。

自己肯定感を高めるメリットはたくさんあります。

・不安や心配が少なくなる
・他人のことが気にならなくなる/他人と比較しなくなる
・ピンチに強くなる
・心の揺るぎが少なく、安定しやすくなる
・「できる感」を持てるようになる
 

「自己肯定感」は、リーダーに大切な3つの力に役立つ!

自己肯定感は、万人に必要な感覚ですが、リーダーや管理職など、人に然るべき影響を与えることが、活動や業務の中で求められる立場の人たちにとっても、とても必要な感覚です。自己肯定感が生み出すリーダーとしての力のうち、ここでは

1)影響力
2)育成力
3)レジリエンス力

この3点に注目してみたいと思います。
 

影響力

リーダーとは、人に然るべき影響を与える人たちです。この影響力がどんなレベルであるかが、リーダーの力量と言えます。

自己肯定感が高いリーダーは、心に揺るぎが少なく、安定しています。

仮にあなたがフォロワーの立場にあるとしたら、心に揺るぎが少なく、安定しているリーダーと、調子の良い時はいいのですが、調子が悪くなると、心がグラグラ揺らぐのがこちらから見てもよく分かるようなリーダーと、どちらについていきたいでしょうか?
そして、前者のリーダーから与えられる影響と、後者のリーダーから与えられる影響はどう違うでしょうか?

今後の企画や、事業の展開など、将来のことについて話していても、「いろいろ大変なことはあるが、何があっても何とかなる」と思っているリーダーと、不安や心配で頭がいっぱいのリーダーとでは、その影響を受けるフォロワーが仕事に取り組む感覚も違ってきます。

リーダーとは、行き先(ビジョン)を示して、その行き先に向かうことをリードする存在。その存在の頭の中が不安や心配でいっぱいでは、フォロワーたちは安心して仕事に取り組むことができません。そして、不安や心配で頭がいっぱいのリーダーは、どうしても視野が狭くなったり、意識が自分自身のことばかりになったりして、フォロワーに意識をちゃんと向けてあげることができにくくなります。

一方、自己肯定感が高く、「何とかなる」という感覚のあるリーダーは、いろいろある中でも、周りを見渡す余裕があるので、フォロワーの力を発揮させてあげられるような向き合い方ができるのです。

このように、リーダーの持っている自己肯定感の違いは、フォロワーへの影響力であるリーダーシップにも大きな違いを生むのです。
 

育成力

自己肯定感とは、「自分は大丈夫」と思えている感覚。これは、自分の可能性、つまり、自分の未来の能力を承認できている状態です。

これは、育成をする人にとって非常に重要な感覚。なぜなら、自分自身の可能性の承認度合い(できる感)が高い人は、他人の可能性への承認度合いも高いからです。

自己肯定感の高いリーダーは、目の前の部下が、失敗をしてしまった状況や、まだ能力が十分に発揮できていない状況でも、未来の能力の可能性を承認できます。

人間は、承認を受けると、勇気づけられ、著しい成長を遂げる確率が高くなります。

このように、リーダーや上司が、自己肯定感をしっかり持っていると、チームメンバーや、部下の育成は良い方向に進むのです。

逆に、自分自身の可能性の承認度合い(できる感)が低い人は、他人の可能性の承認度合いも低いので、場合によっては、部下への否定とダメ出しを繰り返し、健全に育成が進む方向には行きづらくなってしまいます。
 

レジリエンス力

前でも述べたように、自己肯定感が高いリーダーは、心に揺るぎが少なく、安定しています。これは、レジリエンス力(しなやかな心の状態が生み出す力)の高さを表しています。

レジリエンス力には、失敗などのショックに耐える力、ショックそのものを受けにくい力、そしてショックから立ち直る力などがありますが、「自分は大丈夫」と思えている感覚が、これらの力を増強してくれるのです。
メンタルケアが経営課題の上位項目になっている企業が多い今、レジリエンス力は、企業が従業員に伸ばして欲しいと求めている力の1つとして、とても注目されています。そして、リーダーとしての責任が重くなればなるほど、その重要度が上がっていく力でもあるのです。

このように、自己肯定感は、リーダーや管理職などの立場にある人たちにとって、大変重要な感覚です。自己肯定感を高めることは、あなたのビジネス力を高めることに大きく貢献します。ぜひご自身の自己肯定感と、その強化に意識と行動を高めてみてください。そして、自分の中の「できる自分」を呼び覚ましてみていただければと思います。

著者紹介

三浦 将(みうら・しょうま)

「習慣力」エキスパート

人材育成・組織開発コンサルタント/エグゼクティブコーチ。株式会社チームダイナミクス代表取締役。英国立シェフィールド大学大学院修了(MSc 理学・経営学修士)
大手広告会社、外資系企業を経て、エグゼクティブコーチとして独立。「習慣力」をはじめとするそのコーチングの成果が評判を呼び、依頼殺到の大人気コーチとして活躍する。
著書にシリーズ累計20万部突破の『自分を変える習慣力』『相手を変える習慣力』(以上、クロスメディア・パブリッシング)などがある。
ブログ:https://ameblo.jp/lifecoach1

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