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英語留学で第2外国語を絶対に学ぶべき理由

タカ大丸(通訳/翻訳家)

2018年12月20日 公開 2023年01月12日 更新

迷いなくスペイン語を選んだ理由

お断りしておくが、私の渡米当時のTOEFLスコアは当時の採点基準で520点だった。これは、5年制大学に入学できるギリギリ最低限のポイントで、まだ意思疎通および大学の授業についていくという観点からは決して十分とはいえなかった。だから留学生担当の教授に英語学校の受講を勧められた。

「もし英語の授業を受けるなら、外国語の単位としてカウントするから、受けてみれば?」

舌足らずだったが私は断固拒否した。

「僕は英語学校に来たのではないのですよ。大学教育を受けに来たのです。ですから米国人学生と同じ扱いにしてください。外国語の単位というなら、スペイン語でもフランス語でも中国語でもなんでもいいから、とにかくアメリカ人学生が受ける外国語の授業に入れてください」

「それなら、フランス語とスペイン語があるけど……」

「なら、スペイン語で」

私がスペイン語を選んだ理由は簡単である。米国において、あらゆる標識、注意書き、広告、すべてが英語とスペイン語表記だったからだ。そして、スペイン語の教室に一歩足を踏み入れた瞬間に出井氏の話していた意味を理解した。

私が受けたスペイン語の授業の担当はチリ人の教授だった。つまり、当たり前だがスペイン語を話せる人だった。英語が話せない英語教師が沢山いるどこかの国とは大違いである。

それからクラスメイトは全員アメリカ人学生で、日本人はひとりもいなかった。

さらに大切なことがあった。この「スパニッシュ101」というクラスには、文字通りスペイン語のスも知らない面々が集まっていた。

たとえば、日本の小学生であればいかに英語を習ったことがなくても、ハローくらいは知っているし、1から10までくらいなら数えられるはずだ。だが私が行った教室には、それこそスペイン語で1から10まで数えられない面々が集まっていたのだ。これなら勝てる、と思った。

私もスペイン語のスも知らないのは同じだった。だが少なくとも英語という外国語で大学入学を認められるくらいにはなっていた。つまり外国語という観点からいえばほかの米国人学生とはすでにスタート地点が全然違うということだ。それなら負けるはずがない。

 

日本人の英語コンプレックスを打ち破る方法

日本人学生は、初渡米して最初の授業で例外なくうちのめされる。早口の学生は何を言っているのかさっぱりわからず、自分が何か発言しようとしても発音、というより発声が悪いため相手に全く通じない。そんなことはなかった、という人がいれば絶対に大嘘つきである。だんだん、アメリカ人というのは全員天才なのではないかと勘違いしそうになる。

だがスペイン語の授業を受けてみると、例外なくアメリカ人学生が悪戦苦闘していて、実はアメリカ人にもアホがいる、ということを実感できる。これならオレも生き延びられるかもしれない、と思った。

事実だからいうが、1学期が終わったとき私はクラスで一番になっていて、1年後には飛び級していた。私の知る限り、「外国語の授業を受けた外国人」は大部分がクラスで最優等になっていた。

そして授業はすべて行われ、周りのクラスメイトともすべて会話は必然的に英語になる。そしてだんだん私のスペイン語習得が明らかに周りより早い、ということに気付いたアメリカ人は、「一緒に勉強しないか」と誘ってくるようになる。

こうしてスペイン語だけでなく、英語も上達し、しかもある意味でアメリカ人学生よりも強い立場に立てるから、強気にものを言えるようになる。

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多くのアメリカ人もスペイン語で挫折を経験している

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