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漫画の実写化「なぜ設定を変える?」 『税金で買った本』原作者がハッとした裏事情

ずいの(漫画家)

2026年06月26日 公開

講談社『週刊ヤングマガジン』で連載中の大人気図書館お仕事漫画『税金で買った本』(ヤンマガWeb)。ヤンキー高校生の主人公・石平(いしだいら)くんが図書館でのアルバイトを通じて成長していく姿を圧倒的なリアリティで描き、多くのファンを魅了しています。そんな本作が、テレビドラマ化とアニメ化されることが決定しました!

原作者であり、元図書館職員でもあるずいの先生へのインタビュー最終回となる今回は、ファン待望の映像化企画を初めて聞いた時の率直な心境や、実写ドラマ化にあたってハッとさせられたという映像制作の舞台裏についてお聞きしました。

 

原作者としてハッとした、映像化の裏事情

――本作『税金で買った本』は、テレビドラマ化とアニメ化決定という、ファンにとっても非常に嬉しいニュースが発表されました。この映像化の企画を最初に聞いた時の、率直な心境を教えてください。

【ずいの】めちゃくちゃ嬉しかったです! 漫画家として、自分の作品が「映像化されること」を大きな目標として掲げて連載を頑張ってきたので、お話をいただいた時は本当に嬉しかったですね。

――実写ドラマとアニメ、それぞれの制作陣と脚本や設定の確認といったコミュニケーションを取る中で、何か新しい発見はありましたか?

【ずいの】アニメに関しては、漫画の表現やテンポ感とかなり近いアプローチができるので、原作の話からそれほど大きな変更はないかと思います。

ただ、実写ドラマに関しては、実際の撮影場所の制約や「生身の人間が演じる」という違いがあって、話の構成や設定が漫画とは大きく変わる部分があります。最初にその違いに直面した時は、「漫画とかなり差が大きいな」と思ったのですが、制作の方のお話を聞くうちに、なるほどなと納得させられる発見がたくさんありました。

――例えば、どのような理由で設定が変更されるのでしょうか?

【ずいの】漫画であれば、キャラクターの髪型やトーンの色を変えることで、読者に「これは全く別のキャラクターだよ」と伝えることができます。でも実写の場合、同じくらいの背格好の役者さんが私服や似たようなエプロン姿で演じていると、視聴者がパッと見た時に「どの人がどのキャラクターなのか、見分けがつかなくなってしまう」という問題が起こります。

特に『税金で買った本』は、20代〜30代の女性キャラクターが多いので、画面上に同じ世代の女性が何人も並ぶと視聴者が混乱してしまう、と。実際には原作漫画から設定を大きく変えるようなことは行わなかったのですが、当初は性別を変えるなどの思い切った変更についてご相談をいただいたこともありました。

私自身、いち視聴者だった頃は「なんで漫画の実写化って設定を変えるんだろう?」と不思議に思っていたのですが、いざ自分が当事者として理由を知ると「なるほどな」と合点がいきました。

――実写ならではのキャスティングや、漫画とは違うアプローチでどう描かれるのか、今から楽しみです。最後に、映像化をきっかけに新しく原作を手に取る読者や、これから作品に触れる未来のファンに向けて、「こういう視点で読んだら面白いですよ!」というようなメッセージなどありましたらお願いします。

【ずいの】キャラクターたちの掛け合いに注目していただいてもいいですし、図書館というちょっと特殊な業務の裏側に興味を持っていただいても、本当にどんな視点でも自由に楽しんでいただければ幸いです。

原作漫画には、映像化には収まり切らなかった変なエピソードや、1話完結のお話がたくさん詰まっています。映像化される範囲は、長い連載の中のほんの一部に過ぎませんので、実写ドラマやアニメをきっかけに作品を知ってくださった方にも楽しんでいただけるのではと思います!

 

著者紹介

ずいの

漫画家

1990年、静岡県出身。2019年『蜜吸系男子』で「月間新人漫画賞奨励賞」受賞。 図書館勤務を経て、2021年「ヤンマガWeb」連載の『税金で買った本』で漫画原作者デビュー。現在も「ヤングマガジン」にて同作品を連載中。
X(旧Twitter):@zuino

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