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読書家でも陥りがち? 本を読む上でいちばん「気をつけなければいけないこと」

西岡壱誠(著作家)

2026年06月30日 公開

本を手に取ったとき、あなたはどこから読み始めますか?実は多くの人が見過ごしているある部分に、読書の質を大きく左右するヒントが凝縮されています。書籍『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』より解説します。

※本稿は、西岡壱誠著『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』(新潮社)より一部抜粋・編集したものです。

 

本の装丁は「一を聞いて十を知る」ができる言葉ばかり

ほとんどの読者は書店で、はじめに本の装丁を見ます。カバーや帯に何が書いてあるのかを見て、購入するかしないかを決定します。いわば、本と読者との初対面の場が「装丁」なわけです。

その「初対面」の場で、読者に興味を持ってもらえなければ、本は買ってもらえません。なので、ほとんどの本は装丁に多くの情報を詰め込んでいるのです。とはいえ、文字が多いと読者が読みたがりませんから、少なめの文字の中にたくさんの情報を詰め込んでいるんです。つまりは、「一を聞いて十を知る」が可能な言葉が装丁にたくさん書かれるのです。

まだピンと来ないかもしれませんが、そういう人は自分の持っている本のタイトルに注目してみてください。
どんな本でも、タイトルからは多くの情報が得られるはずです。

だってみなさん、よく考えてみてください。1冊の本の内容を、タイトルは一言で言い表しているんですよ? 
たとえばこの本の文字数は10万字程度です。それに対して、タイトルの『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく東大読書』は24文字です。たったの24文字で、10万字の内容を言い表しているんです。このタイトルは、もちろん「一を聞いて十を知る」ことができる言葉になっているのです。

こんな風に、どんな本でもタイトルから多くの情報が得られます。そして、このタイトルが本の内容を一言で言い表しているわけですから、逆にタイトルから情報を多く引き出しておけば、本を読む上でとても大きなヒントになるわけです。

同じように、タイトル以外の言葉にも、少ない文字数の中にその本の内容がたくさん盛り込まれているのです。少しでも読者に興味を持ってもらえるように、「この本はこういう本ですよ!」と紹介してくれているわけです。
読み進める上でこんなにヒントになる情報は他にありません。ここからヒントを引き出せば、文章が格段に読みやすくなるのです! 

 

「装丁読み」の手順

では具体的に、「装丁読み」の手順を紹介していきます。

①タイトルから、どういう情報が引き出せそうか考えてみる

「『東大読書』というタイトルから得られる情報は何だろう?」と、しっかり考えてみましょう。

②引き出した情報を、付箋に1枚ずつ書いてみる

「東大生がみんなやっている読書術」「東大生並みの読解力が身につく読書習慣」といった風に、1枚の付箋に1つの情報を書いていきましょう。目標は3つ以上です。

③帯の両面を読み、得られる情報を付箋に1枚ずつ書いてみる

「精神疾患・精神分析・異常心理学......これ1冊で心理学のすべてがわかる!」と書いてあるならば、「精神疾患についてわかる」「精神分析がわかる」「異常心理学が載っている」「その他、心理学について多くのことがわかる」 と、1枚の付箋に1つの情報を書きましょう。

④著者のプロフィールを読み、どういうバックグラウンドの人なのかを確認して、得られる情報を付箋に1枚ずつ書いてみる

「偏差値35から2浪で東大に入った現役東大生」と書いてあったら、「元偏差値35」「2浪」「現役東大生」と付箋に書いていきましょう。

 

●ここでワンポイント!

著者の別の著作のタイトルもチェックしておきましょう。その著者が他にどういう本を出しているかは、本を読み進める上で意外なヒントになります。

たとえば『東京消滅』という本を読んだときに、その著者が他に『地方消滅』という本を出していることがわかれば、「このままでは地方も東京も、日本全体が大変だと著者は考えている」というヒントが得られます。この情報があったほうが、その本は格段に読みやすいはずです。

 

①~④の作業を通して、だいたい10枚以上の付箋が用意できれば問題ないと思います。

しかし、これで終わりではありません。書き出すだけではなく、集めた付箋をヒントとして活用するのが「装丁読み」です。なので、

⑤「①~④」で集めた付箋は表紙裏や見返しに貼って取っておき、読み進める中で頻繁に見直してみる

ということを実践しましょう。「見返し」とは、本の表紙をめくったときに現れる、通常は何も印刷していない紙です。この本では、巻末に、「『東大読書』マル秘テクニック!」というページを用意しました。

書いた付箋はここに貼っておいて、たとえば読書を中断したタイミングや、理解するのが難しい文章が出てきたときに見直してみましょう。読解の上で大きなヒントになるはずです。

また、1章ごとに見直して、「今の章で読んだのは、『装丁読み』で得た情報の中のここの部分かな?」と考え直してみるのもオススメです。一度読んだ内容を咀嚼して理解を深めることができます。

情報は、できるだけ多いほうがいいです。装丁から、なるべく多くの情報を得るようにしましょう。

その分「この情報は本当に正しいかな?」「ちょっと飛躍させすぎちゃったかも......」というようなものも出てくるかもしれませんが、そういう場合は付箋の最後に「?」と書いておきましょう。本を読み進めてみて、付箋の内容が正しければ「?」を消して、間違っていれば付箋を取ればいいのです。なので、思いついたらすぐに付箋に書いていきましょう!

 

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