「承認欲求が強すぎて孤立する人」に教えてあげるべき"仕事のWHY"
2019年02月19日 公開 2024年12月16日 更新
<<「PDCAはもう古い。役に立たないし、変化についていけない」なんて思っていませんか? ですが、PDCAは変化の激しい現代でこそ大活躍するスキルだと主張するのは、コンサルタントの清水久三子氏です。
現にこの手法は、ケタ違いにスピードの速いシリコンバレーのスタートアップ企業でも今なおベースとされているのだそう。しかし、PDCAを正しく使うためにそれ以前の"WHY"が必要で、その内容次第では、PDCA以前に仕事において孤立化してしまうと清水氏は語ります。
清水氏の著書『一生食えるプロのPDCA』より、PDCAを正しく回すための"WHY"の在り方を述べた一節をここで紹介します。>>
※本稿は清水久三子著『一生食えるプロのPDCA』(かんき出版)より一部抜粋・編集したものです
PDCAを始める前段階の「WHY」
Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(検証)→ Action(改善)の4つを繰り返す「PDCA」。
ビジネスパーソンにはすでに広く知られている手法のため、本稿を読んで、「今さらPDCA?」と思われている方もいるかもしれません。「古くて使えない」なんていう声も――。
ですが、本来PDCAは使える領域も広く、学びや成果につながる考え方です。まさに「広くて深い」のがPDCAなのですが、その回し方が遅かったり、深い検証ができていないため、役に立たないと判断されてしまうことが残念でなりません。
世の中の変化のスピードが速いわけですから、早いサイクルでPDCAを回すべきなのに、年に1回などのスローペースでやっていては、変化についていけなくて当たり前です。私は、「週間」での振り返りを推奨しています。
ですが、PDCAを始めるにあたって、注意してほしいことがひとつあります。それは、いきなりPDCAのP(Plan)から入らないこと。
実は、PDCAは、その前段階が非常に大切なのです。私のPDCAは次の2つの「問い」から始まります。
WHY=なぜやるのか?
WHERE=何を目指すのか?
特にWHYはPDCAの大切な「原点」になります。
WHERE(何を目指すのか)やWHAT(何をすべきか?)、HOW(どうやってやるのか?)は試行錯誤のなかで変わる可能性が高いものですが、WHYは変わるべきものではなく、むしろ心の拠り所となるものだからです。
PDCAサイクル自体は言ってみれば改善(どうやったらよくなるのかというHOW)を追求する行動です。そのために手段ややり方を徹底的に試行錯誤します。
しかし、それだけでは行き詰った時や困難に直面した時に選ぶべき指針がないので足踏み状態になります。さらに言えば、近視眼的になってしまい手段を選ばなくなる可能性も秘めています。
WHYは、PDCAを回す動機や信念と言い換えてもよいでしょう。「信念って大げさな……」と思われるかもしれませんが、信念なきまま、創意工夫を続けるのは虚しいばかりか、時に危険な方向へ向かうことにつながるのではないでしょうか?
では、どんなWHYがいいのか? 何を考えるのがWHYにつながるのか。どんなWHYだと動機付けとしてPDCAが回るのか?
ビジネス訓話としてもよく取り上げられる「3人のレンガ職人」というイソップ童話は、この“WHY”の違いを端的に表しているのでご紹介します。