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40代から始まる「大人の声変わり」 声の若さは"鼻腔"で決まる

鳥山真翔(ボイストレーナー)

2019年03月14日 公開 2024年12月16日 更新

鳥山真翔氏は、テレビ番組、レコード会社、専門学校等で発声を指導をするボイストレーナーである。有名アイドルへの指導経験も豊富で、多くの著名人の声を変えてきた、発声のエキスパート。

そんな鳥山氏は、発声の方法を工夫すれば、気持ちも表情も変わると語る。顔のたるみやカサつく声を改善するエクササイズも提唱している。

本稿では、鳥山氏の近著『美顔ボイトレ』より、声の出し方次第で加齢を跳ね返せることを語った一節を紹介する。

※本稿は『美顔ボイトレ 声を出すたびに美しくなる』(祥伝社刊)より一部抜粋・編集したものです。

 

あなたの発する声は周囲だけでなく、自分にも影響を与えている

季節の変わり目や、環境の変化もある季節は、心のコントロールが難しいと感じることも多いですよね。

そういえば最近心が沈みがちで、気持ちが晴れないような気がする──。
でも、これといった大きな理由がないのに、なんとなく気持ちが沈んでいるとしたら、それはあなたの声や表情に原因があるのかもしれません。

例えば、ウキウキしているときは自然と挨拶をする声も明るくなりますよね。そして、自分が発した明るい声を耳にすることによって、さらに気持ちが晴れ晴れとしてくる。

誰かの怒鳴り声で賑わっていた空間がシーンとなることもあれば、誰かが明るく笑い飛ばすことで張り詰めていた緊張が解けることもある。

こうした経験は、多くの人が持っていることと思います。

実は、これらはすべて必然なのです。そう、目には見えないけれど声のトーンというのは、その場の雰囲気を変えてしまうほど、脳への大きな影響力を持っているのです。

あなたが発する声は、あなたの周りにいる人にも影響を与えるし、あなた自身にも影響を与えるのです。

そう、あなたの心が何となく沈みがちなのは、もしかしたらあなたの声が沈んでいるからだと言っても過言ではありません。
 

気持ちが塞ぎがちになるのは、あなたの声が原因かも

「笑う門には福きたる」ということわざがありますが、たとえフェイクスマイルであってもストレスホルモンが軽減されることが、ドイツのマンハイム大学の研究実験で明らかにされました。

ストロー状のものを使い、グループごとに顔の特定の場所を固定し、漫画を読むという実験を行なったところ、強制的に笑顔に固定された状態で漫画を読んだグループが、最もその漫画を面白く感じたというのです。 

この実験結果は、心から湧き出てきた笑顔でなくても、笑顔を作ることによって、気持ちが楽しい方向、ポジティブな方向に向くことを示しています。

意識が先にあり、その“意識”に合わせて“行動”する、というように思いがちですが、実は、“行動”に合わせて“意識”が生まれるのです。

脳科学の世界では、もはや「行動が先で意識は後」というのが定説となっています。

そして、声を出すのも行動です。

もしあなたが無意識のうちに暗い声を出していたら、その暗い声に脳がコントロールされ、気持ちが沈んでしまうことだってあるのです。

このように、暗い声というのは、相手に伝わりにくいだけでなく、その声を聞く周りの人とその声を発する人自身をも、暗い気分にしたり、塞いだ気分にしてしまうのです。

でも、逆もしかり、です。

自分の声によって、わけもなく気分が塞いでしまうように、自分の声によって、わけもなく気持ちを明るくすることもできるのです。

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声帯は変わらなくても、発声法で声は変わる

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