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睡眠には、あなただけの「最適解」がある!

裴英洙(医師/ハイズ代表取締役社長)

2019年04月30日 公開 2024年12月16日 更新

睡眠はミドル世代に必須のビジネススキル

 睡眠は基本的に、個人の生活に属するものです。しかし、ミドル世代=プレイングマネージャー世代の視点から考えると、自分のみならず「チームの生産性」も視野に入れつつ睡眠を考えることも必要でしょう。

 睡眠の改善によって生産性を上げるには、❶業務管理❷フィジカル管理❸メンタル管理の三つの視点が必要です。中でも重要なのが、❶の業務管理。生体リズムを意識した業務の割り振りです。体内時計のサイクルにもとづくと、午後2時から4時までは眠くなる時間帯です。

 ですから、注意力を必要とする業務は入れないほうが良いでしょう。特に機械の操作や車の運転は要注意です。居眠り運転の発生率は、午後2時台が多いというデータも出ています。

 逆に、大事な仕事を入れるなら午前中が良いでしょう。朝の間にモチベーションや集中力を要する仕事を集中させれば、確実に生産性が上がります。一方、❷のフィジカルと❸のメンタルは個人的側面が強くなります。フィジカルにおいては、40代以降の身体の衰えを意識しましょう。

 年を重ねると、体力と同じく「眠る力」も低下し、眠りが浅くなる、中途で目覚めやすくなるなどの変化が出てきます。結果、知らず知らずのうちに睡眠不足に陥る危険があります。

 睡眠不足は集中力や思考力、記憶力の低下を招くだけでなく、免疫力も下げます。インフルエンザなどの感染症の他、がんの誘因にもなります。
 うつとの相関性も指摘されています。睡眠不足がうつ症状を招き、うつ症状のせいでさらに不眠になる悪循環は避けなくてはなりません。

 若い頃よりも積極的に睡眠時間を確保し、かつ睡眠の質を上げて、フィジカル・メンタルの自衛を図ることは、ミドル世代に欠かせないビジネススキルなのです。

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心と身体の疲れをとる「2つの睡眠」

著者紹介

裴 英洙(はい・えいしゅ)

ハイズ〔株〕代表取締役社長/医師/医学博士/MBA

1972年、奈良県生まれ。金沢大学医学部卒業後、金沢大学第一外科に勤務。医師として働きながら、慶應義塾大学大学院経営管理研究科(慶應ビジネス・スクール)を首席修了。ビジネス・スクール在学中に、医療機関再生コンサルティング会社を設立。現在も医師として臨床業務をしつつ、医療機関経営に関するアドバイスを行なう。著書に、『一流の睡眠「MBA×コンサルタント」の医師が教える快眠戦略』(ダイヤモンド社)など。

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