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「頑張れ」がNGワードの会社が好調な理由

中村朱美(佰食屋:ひゃくしょくや)

2019年08月07日 公開 2024年12月16日 更新

<<急成長を続け、注目を集める京都のステーキ丼専門店「佰食屋(ひゃくしょくや)。ランチのみの国産牛ステーキ丼専門店。どんなに売れても、店名の通り1日100食限定。営業はわずか3時間半。

この佰食屋が話題となっているのは、その経営手法。売上目標を設定しせず、一方で従業員の残業はゼロ。企業経営の”一般的なセオリー”を無視しているにもかからず成長を続けているのだ。当然、同社で働きたいという希望者が後を立たない。残業ゼロでも従業員の給料は、百貨店並みだというから、人気も頷ける。

そんな奇跡の”ビジネスモデル”を実現している代表の中村朱美さんあは著書『売上を、減らそう。』にて、自社の経営に対する考え方・手法を明かしている。本稿では同書よりその一節を紹介する。>>

※本稿は中村朱美著『売上を、減らそう。たどりついたのは業績至上主義からの解放』(ライツ社刊)より一部抜粋・編集したものです

 

サービスを極限まで絞ることで売上を上げているお店

・ランチのみの国産牛ステーキ丼専門店
・どれだけ売れても、1日100食限定
・インセンティブは、早く売り切れば早く帰れる
・営業わずか3時間半、11時から14時半
・飲食店でも、残業ゼロ
・なのに従業員の給料は、百貨店並み

堀江貴文さん監修のもと出版されている『まんがでわかる 絶対成功! ホリエモン式飲食店経営』(講談社)で、佰食屋はこんなふうに紹介されています。

・サービスを極限まで絞ることで売上を上げているお店
・飲食店の形は自分の人生に照らし合わせて決めることができる

この2行の冒頭、「サービス」と「飲食店」を「働き方」に変えるとこうなります。

・働き方を極限まで絞ることで売上を上げているお店
・働き方の形は自分の人生に照らし合わせて決めることができる

つまり、どれだけ儲かったとしても、「これ以上は売らない」「これ以上は働かない」。 あらかじめ決めた業務量を、時間内でしっかりこなし、最大限の成果を挙げる。そして残りの時間(人生)を自分の好きなように使う、ということ。

 

もう売上を追いかける必要なんてない

佰食屋とは、一言で言うと「サービスを極限まで絞ることで売上を上げているお店」です。また、言い方を変えれば、100食限定とは「それ以上の売上を諦める」ということでもあります。サービスを絞り、売上を諦めることで、通常の会社ではありえない劇的な変化がいくつも起こりました。

不況にあえぐ経営者、形だけの働き方改革に戸惑う従業員。どちらの大変さもわかります。でも、このような状況をつくり上げてきたのは、ほかでもないわたしたち自身の働き方であり、その働き方を強いてきた経営者の責任です。

つまりは、終わりなき「業績至上主義」がもたらした結果。

だから、単純に思うのです。みんなが、売上を追いかけてうまくいっていないのなら、もうそれを追いかける必要なんてないんじゃないかって。

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