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「会議と資料作りが仕事」の人の悲しい末路

沢渡あまね(業務改善・オフィスコミュニケーション改善士)

2019年07月12日 公開 2022年07月12日 更新

 

「所詮社内運動」「資料裁判」「会議裁判」

改善事例を3つ紹介しましょう。

「所詮社内運動」
ある中小企業での取り組み。社内でしか使わない資料は、体裁を気にしすぎない。PowerPointを作らず、手書きメモでも、テキストファイルの箇条書きでもOK。「てにをは」や誤字脱字も容認する。そのような取り組みを進めています。名前は「所詮社内運動」。

「所詮社内」というネーミングも絶妙で、この運動が始まって以来、上司と部下の間で

「所詮社内だから、凝らなくてイイよ」
「所詮社内なので、テキストファイルで済ませました」

などの会話が生まれ、正しく手を抜く文化が定着しつつあるそうです。

「資料裁判」
日報、週次報告資料、定例会議資料……気がつけば、定例で作る資料はどんどんと増えていきます。あたりまえです、なぜなら組織は生き物だから。だからこそ、いったん立ち止まって、定例資料をリストアップし、眺めて向き合い方を決める必要があるのです。

ある大企業のある部門では、年1回「資料裁判」をやることにしました。その時点で、定例で作成している資料をホワイトボードに書き出し、1つ1つ判断していくのです。

「もはやだれも見ていないから、やめる」
「週次→月次に頻度を下げる」
「グラフはナシにする」
「作成を自動化する」

など。まるで裁判の如く、1つ1つの資料を裁いていきます。“裁判”なる名前がついているため、若手や派遣社員も「この資料、もうやめませんか?」など発言しやすいそうです。

このようなポジティブな「仕事ごっこ」(裁判ごっこ)は、大いに取り入れていきたいものです。

「会議裁判」
資料裁判の、会議バージョン。定例会議を書き出し、「やめる」「頻度を落とす」「リモート参加OKとする」など裁きます。資料裁判と同様、最低年1回やるといいでしょう。

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あまりの時代遅れに失望したとなりの国。その国を手放して去っていきました。

ふたたび主権を取り戻した、わがままなお殿さま。心変わりをし、家来の言うことに耳を傾けるようになりました。報告会で巻物をくばるのはやめ、「たぶれっと」を使った電子での報告に変えました。お城から遠い家来は、リモートで参加。そのぶん、家来は自分の土地を治める仕事に集中できるようになりました。

「ほほう、指を画面にくっつけて広げれば文字が大きくなるのか。巻物より見やすいのぅ」

お殿さまは満足顔です。

「おかげで、個人の買い物も便利になったワイ。ほら、こうしてポチっとな!」

こうしてお殿さまも、国も、そこで働く人々も、幸せになりましたとさ。

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