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社会

「ITわからない。誰かに任せる」 開き直った人に居場所が無くなった理由

沢渡あまね(業務改善・オフィスコミュニケーション改善士)

2018年12月13日 公開 2024年12月16日 更新


イラスト:白井匠

<<ITがわからない。自ら学ぶ気もない。だから詳しい人やベンダーに丸投げなのに、要求だけは高く厳しい。そうしてベンダーを泣かせるような人と組織には「未来がない」と警鐘を鳴らすのは、『システムの問題地図』の著者である沢渡あまね氏。

そう語る根拠とは。システムを「使う人」「作る人」「守る人」いずれの立場も知る沢渡氏が、自らの経験も踏まえて「ITシロウト」では立ち行かなくなった現状と知っておくべき5つのポイントを示す。>>

※本稿は『システムの問題地図』(沢渡あまね著、白井匠イラスト、技術評論社刊)より一部抜粋・編集したものです
 

あなたの会社は大丈夫? 二度とベンダーから信頼されなくなるNG行為トップ10

「データ移行の要件? 適当に決めてよ、よくわからないし。俺ら、ITシロウトだからさ!」
「運用……とか言われてもよくわからないけれど、とりあえずあと3割コスト下げて」

出た! お客のキメ台詞、「俺ら、ITシロウトだから!」

中には無知なフリして、ベンダーに面倒な作業や責任をなすりつける確信犯もいるようです。以下、ベンダー泣かせの10大NG行為を挙げます。

【1】仕様凍結後に平然と要件を追加する
コストアップし、手戻りも残業も増え、現場のモチベーションも下がります。

【2】要件を追加したのに、納期変更や予算追加を認めない
ベンダーには強気で交渉するわりに、社内とは交渉しようとしない。この不平等条約状態、いかがなものか……。

【3】追加機能が完成するまで、お金を払おうとしない
当初の機能は開発完了しているのに支払わない。会社のモラルが問われます。

【4】「運用はコスト」だと決めつけて金額を叩く、増員を認めない
システム運用はたくさんの人が動いて、当然、相応のお金が必要になります。なのに、そんな事情をまったく考慮しない……。

【5】「開発/運用コストを下げろ。方法はあなたたちで考えて」と、ふんぞりかえって丸投げ。ベンダーの売上も利益も減る話、積極的に考えるモチベーションなどあるわけがないのに……。

【6】運用コストを削ったわりに、トラブルがあると「お前たちのせいだ!」
運用コストを下げれば、少人数でまわさなければいけない、管理稼動も減らさなくてはならない。で、トラブルが発生すると、ベンダーの責任にする。不信感しか生まれません。

【7】そもそも、トラブルのないシステムを求める
「壊れないシステムを作ってくれれば、運用保守はいらないよね」
いやいやいや、壊れないシステム、トラブルのないシステムなんてありえません。そもそも、運用保守には保険の意味合いもあります。あなたは、自動車保険をかけずに、クルマに乗って走りまわるのですか?

【8】とにかく相見積もり、なんでもかんでもコンペ
ベンダーにとって大迷惑です。
受注できるかわからない案件に見積って提案する稼動、馬鹿になりません。そもそもタダ働きです。これを繰り返していたら、いいベンダーは離れていきます。

【9】決めない
相見積もりやコンペをやりっぱなし。その間、ベンダーの営業担当者は社内などへ説得し、プロジェクトの候補メンバーも確保し続けなければならない。もちろん、お金はいっさいもらえない!

【10】情報中抜き、提案泥棒
ベンダーが苦労して作った提案をパクって内製でやろうとする、ほかのベンダーに横流しする。提案にはベンダーのノウハウが詰まっています。情報中抜き、提案泥棒は、絶対ダメ!
 

ベンダー泣かせのザ・ベストテン!



イラスト:白井匠

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ユーザー企業の開き直りはなぜ蔓延したのか

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