「ちょっといい?」で時間を奪う上司…上手に"スルーする”3つのポイント
あらためて『徒然草』189段を超訳で読む
「今日はこれをやろう!」と意気込んでおっても、それ以外の急用が出てきて、それに追われているうちに一日が終わってしまうもんじゃ。
待っている相手は来ないのに、約束もしていない人が来る。あてにしていたことはうまくいかず、意外なことばかり叶う。計画どおりにはいかないもんじゃ。
それは一日も、一年も、そして、一生も同じこと。「予定どおりにいかない」とだけ思っておけば、まちがいはない。
吉田兼好も嘆く「呼んでいない人ほど来る」
国語講師の吉田です。徒然草189段の原文で印象的なのは、
「待つ人は障りありて、頼めぬ人は来たり」
(訳:待つ人は差し障りがあって来ず、約束していない人は来る。)
百人一首に、「契りおきしさせもが露を命にてあはれ今年の秋も去ぬめり」(藤原基俊、七五番)という歌があります。
これは、基俊が太政大臣・藤原忠通に送った歌です。かねて、息子の光覚(興福寺の僧侶)を維摩講の講師にしてくれと頼んでいたのに、それが今年も叶わず、そのことを恨む歌なのです。「ねぇ! 約束したじゃないですか!」と。
昨今、新入社員の会社でのあれこれに親が出てくる、というモンスターペアレンツが話題ですが、900年前も親バカは変わらないわけですね。
自分ではどうしようもないことに、ボヤいたりゴネたりしてすごすのは非生産的。実際、光覚がその後に出世したという話もありません。うまく生きるには、
①思いどおりにいかない部分は、潔く割り切ること
②コントロールできる範囲を、最大限に活かすこと
ですね。