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経済の縮小をどう見極めるか? アメリカの資産家が高校生に教える「景気の読み方」

アンドリュー・O・スミス (著), 桜田直美 (訳)

2020年03月10日 公開 2024年12月16日 更新

大富豪が多いと言われるアメリカでは、早い段階から子どもへ「お金の知識」を教えている。アメリカ出身の有名な投資家の多くが、初めて株を持った年齢がほぼ10から11歳であると言われている。

欧米各国では、学校の授業の中=カリキュラムの中で「お金」について学ぶ機会が用意されているが、日本ではそうした「マネーリテラシー」を身につけるための授業を受ける機会は少ない。

本稿では、アンドリュー・O・スミス著書で、全米の多くの学生が学んできた大ロングセラーの邦訳版である『アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書』から、景気をいかにして読み解くかを解説した一節を抜粋して紹介する。

※本稿はアンドリュー・O・スミス著『アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書』(SBクリエイティブ刊)より一部抜粋・編集したものです。

 

景気はどうすれば読めるのか

世の中の景気や経済情勢はビジネスに大きな影響を与える。一般的に「経済」とは、お金、ビジネス、雇用、支出、貯蓄、投資、生産に関わるすべてのことが、どういう状態になっているのかということだ。

いちばん単純な経済は、人々が生きていくために生産したり消費したりするシステムのことをさしている。このシステムが機能するには、まず商品やサービスを提供する組織が必要だ。そしてその組織が、この章の主役であるビジネスということになる。

ビジネスが製品を売るには、その製品を作る労働者が必要だ。つまりビジネスは、労働者を雇うことで雇用を創出していることにもなる。

そして人々は、労働者として働くことで給料をもらい、そのお金でものを買って「消費者」になる。賢い人は給料をすべて消費せず、余った分を貯蓄に回す。人々の貯蓄が銀行からビジネスに貸し出され、ビジネスは
そのお金で将来に向けた投資を行う。

良好な経済とは、生産、消費、貯蓄、投資のすべてが活発に行われることだ。これらの活動は「経済活動」と呼ばれている。

経済活動が活発になれば、雇用が増え、給料が上がり、ビジネスの利益も増える。反対に悪い経済の特徴は、経済活動が停滞することだ。

ビジネスは儲からなくなり、倒産するところも出てくる。その結果、雇用が減り、失業者が増え、人々は生活に困るようになる。

経済活動を州ごと、地域ごと、国ごとに分析することによって、政府が問題を早期に発見して対策を打つことが可能になる。

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GDPが示す意味とは何か

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