言いにくい話には「キャッチフレーズ」をつけよう
ただし、「目標を下方修正したい」なんて、身も蓋もないことから始めなくてもいいのである。後ろ向きの提案には、前向きのキャッチフレーズをつけると言いやすい。
「顧客満足度の向上と、チームの意欲向上のために、来月の目標を下方修正します」のように。「前向きな目標」と結論をセットで言うのだ。
すると、上司は必ず「どういうことだ?」と聞いてくるので、「聞いてくださいよ。ここのところ、たいへんなことが重なって……」と、状況を訴えればいい。
ゴールがわかっているので、問題解決型の上司も落ち着いて経緯を聞いてくれる。ときには、優しい同情も寄せてくれる。
それほど本人の能力が突出しているわけでもないのに、上司に可愛がられ、顧客に愛され、部下に信頼を寄せられる人がいる。思いが深く、会社への貢献度が高いのに、周囲とぎくしゃくする人がいる。前者と後者を分けるのは、コミュニケーション能力である。
この世には二つの話法がある。それを知って、使い方をマスターするだけで、この世が格段に生きやすくなる。