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リモートでは通用しない?「個人技に頼る営業」を今すぐやめるべき理由

藤本篤志(グランド・デザインズ代表取締役)

2020年07月27日 公開 2020年07月28日 更新

 

営業技術 10の切り口

最後の「技術」は、ほかの2つと違い、ただ覚えれば活用できるものではありません。

技術は、テニスにたとえれば「サーブを速く打てるようにするための技法」「スマッシュを狙った場所にコントロールできるための技法」というように、練習を積み重ねなければ実践で活用できないものです。

加えて、「必要な筋力や持久力を強化する」という別メニューにも対応する必要があります。

したがって、会得するまで時間と努力を要します。その代わり、一度手に入れることができたら、他人より抜きん出た武器にもなります。すぐには追いつけないからです。

技術にはいろいろなものがありますが、おもな10点の切り口を紹介しておきます。

(1)ヒアリング技術
単に聞く技術ではありません。お客様の発言内容の主旨を理解しながら、言葉そのものを丸暗記する技術です。この丸暗記が重要で、この技術が身につけば、聞き漏れ、聞き忘れ防止にもなります。

(2)説明技術
トーキング技術ともいいます。簡潔に、ファーストトークで結論を言い、その後お客様のヒアリングレベルに合わせた説明をくり広げる気配りが必要です。

(3)シグナルキャッチ技術
洞察技術ともいいます。お客様の言葉、抑揚、ジェスチャー、目線、商談現場環境など、あらゆる情報から、五感をフル活用することで、ヒントをつかみ取る能力です。

(4)印象良化技術
営業は人間対人間のぶつかりあいなので、アナログ的ですが、印象は重要です。印象には「見た目」「しぐさ」「喋り方」「言葉」「行動」「情報」「オーラ」の7つの要素があります。

(5)商談展開技術
営業の目的は、あくまでも自社商材の受注です。したがって、案件商談の方向性を、自社の受注に有利な方向性に誘導していかなければなりません。それを商談展開といいます。

(6)滑舌技術
商談コミュニケーションは、基本、言葉のやりとりです。したがって、「言葉をはっきりと発音できるかどうか」は、お客様を不快にさせないためにも、無視できない大切なことです。

(7)ディベート技術
ディベートを直訳すると「論争」という意味です。もちろん、商談で論争が必要だという意味ではなく、相手の論点を吟味する能力を養うために、ディベート訓練は抜群の効果を発揮します。

(8)アイコンタクト技術
目線を意識的にコントロールするのは、商談のイニシアチブを取るのに、とても大切な技術です。優秀営業マンは、この技術の使い方が総じてうまいといえます。

(9)感情コントロール技術
営業は、思いどおりにならないことが多い仕事です。お客様の言動に、感情が害されることも頻発します。その中で仕事をやり切るためには、冷静に相手を見る力が必要になってきます。

(10)ノンバーバルコミュニケーション技術
非言語コミュニケーション技術ともいいます。言葉以外の態度、姿勢、印象などを意識的にコントロールすることで、円滑に商談を進めていく技術です。なお、印象良化技術と重なる部分もあります。

以上のような「知識」「ノウハウ」「技術」を、ぜひ営業マニュアルに落とし込んで明文化してください。個々のスキルを暗黙知のままにせず、営業チーム全体の財産にしていきましょう。

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