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部下や後輩を「○○君」と呼ぶ上司が、無意識のうちに尊大になってしまう理由

佐々木常夫(元東レ経営研究所社長)

2020年09月12日 公開 2022年06月02日 更新

 

なぜ礼儀正しさこそが「武器」なのか?

もちろんチームを動かすには、マネジメントのスキルも必要です。ですが、相手を思う気持ちがあればスキルは後からついてきます。歳をとったり、地位が上がってきたりすると、人はどうしても傲慢になってしまいがちなもの。若い頃の謙虚さを忘れ、態度が尊大になってしまいます。

地位の高い人にはペコペコするくせに、目下の人には威張り散らす人もいます。そんな人が身近にいたら、自分のあり方を見直すいい機会です。「自分は大丈夫か、傲慢になっていないか」と自問自答するようにしましょう。

私はといえば、会社の中で先輩、後輩を問わず、相手を「さん」付けで呼んでいました。

当時、社内では、部下や後輩を「くん(君)」付けで呼ぶのが一般的でした。しかし、「くん」付けで呼んでいると「彼は目下で、自分より劣っている」という意識が働き、相手に対する態度も尊大になってしまいます。

正直、私も最初のうちは、抵抗感がありました。自分よりも10歳近く年齢が違う新入社員を「さん」付けで呼ぶわけですから。「でも、若くても優れた人がいるのだから、多少気恥ずかしくても『さん』と呼ぼう」と決めていました。そう呼んでいるうちに次第に抵抗感はなくなりました。

「礼儀正しさにまさる攻撃力はない」

この言葉がユニークなのは、礼儀正しさを「攻撃力」と表現していることです。つまり、礼儀正しさは、人の心を動かすうえでの最大の武器になると言っているわけです。

だから、もし、自分とあまり合わない人がいてもそのときは、ぜひこの言葉を思い出してみてください。この最大の武器を使わない手はないでしょう。

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