「二条家 vs. 近衛家」名門貴族の1000年の争い…『麒麟がくる』が描いた根深き“因縁”
2020年10月10日 公開 2024年12月16日 更新
《全国にその名を轟かせる「名古屋おもてなし武将隊」。名古屋城に詰め、観光客をもてなす武将と足軽の10人組である。2009年11月、名古屋開府400年のPR大使として名古屋にゆかりの6人の武将と4人の足軽で名古屋おもてなし武将隊が結成、すでに10年以上にわたり活躍を続けている。
そのうちの一人、前田慶次氏は名古屋城検定に検定過去最高点で合格し同検定の名誉顧問を務め、日本城郭検定にも合格するなど歴史への造詣も深い。
前田慶次氏が自身のYouTubeチャンネル「前田慶次5分で戦国時代チャンネル」にてNHK大河ドラマ『麒麟がくる』を徹底解説している。本稿ではその一部を紹介する》
※本稿はYouTubeチャンネル「前田慶次5分で戦国時代チャンネル」にて配信された内容を再構成したものです
SNSでは「毒殺」がトレンドになったが…
皆の者、NHK大河ドラマ『麒麟がくる』、26回「三淵の奸計(かんけい)」を視聴したか?此度は、これぞ戦国時代!というものを描いた真っ黒回という名の“神回”であった。
此度の題目、三淵藤英(みつぶち・ふじひで)の名前があったが、最も武功を挙げたのは山崎吉家、大活躍じゃった。
明智光秀という人物の印象が大きく変わる「麒麟がくる」。26回時点での光秀の年齢は39歳。そこそこええ歳であろう?
光秀が世に登場してくるのはこの辺りからであるが、光秀の強みは人脈。大大名達にどう気に入られるか、乱世を生き抜く術として強みを丁寧に描いておる。
光秀の娘、たまが6歳となり、細川藤孝の息子も6歳という場面があり、後に二人が結婚することを示唆する辺りは歴史家臣もニヤニヤしたのでなかろうか?
阿君丸毒殺事件も話題となった。侍女を買収? 毒味役が声を上げぬように手拭で押さえつけて、襖を閉める演出は戦慄したのう。名門「朝倉義景」と、成り上がり武将「織田信長」、同い年ながらも違う生き方をした二人の武将を見比べてみようぞ。
1568年永禄11年の時代背景 戦国最大級の戦が開戦!
ドラマは1568年2月から始まる。これは、足利義栄が14代将軍に就任した月。三好一族が足利家の人間をあやつり、義栄は若くして将軍となるが、半年後に病で亡くなってしまう。
26話では7月までを描いたが、この直後から激しい動きがある。次回の予告からも感じたのではなかろうか?9月、観音寺城の戦いが起きる。一言で申すと戦国最大級の戦!
ドラマでも何度も名前が上がる、近江の大名六角家と織田信長の戦。信長が上洛する最中、起きた戦じゃ。
5万対1万程の大軍勢が激突した戦で、驚くべきは5万というのが織田軍であるということ。
同盟者、徳川家康が援軍を出し、他にも浅井長政が援軍を出しておる。ドラマでは未だ登場は無いが、織田と浅井は同盟者である。織田軍が勝利を収め、六角家は甲賀へ逃げ出し観音寺城は無血開城。斎藤龍興も頼りにした大名、六角家が倒された観音寺の戦い、織田信長の強さを天下に知らしめる戦いとなった。
エリート中のエリート、二条晴良が初登場
小藪一豊が演じる公家、二条晴良が初登場。驚いたが此の小藪という男、六尺を超える188センチとでかい。儂に匹敵するのう。お笑い芸者の一角と聞くが、憎たらしい芝居が妙に馴染んでおり楽しませてもらった。
二条晴良は僅か23歳で、関白・藤原長者となったエリート中のエリートである。藤原長者とは、藤原一族全体の長、帝の次に偉い人間。ドラマで、近衛前久に対して「関白を退いたらどうじゃ?一同は申しておる」と喧嘩を売っておった。
二条晴良は信長上洛後に関白に返り咲き、織田信長の命も救った。後に織田は、浅井と朝倉と戦をすることになるが、信長の危機的状況に二条晴良が動き、三家の揉め事に入り込み和睦させる。
故に、二条晴良は数話先で大活躍するはずじゃ、見逃すな。