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TOEIC950点の女性が「時給900円」で働く理由…“嫉妬の感情”の怖さ

大嶋信頼(心理カウンセラー、株式会社インサイト・カウンセリング代表取締役)

2020年12月04日 公開 2022年06月20日 更新

仕事でうまく力を出せない優秀な人や、行き詰まって会社を辞めたりする人は、自分のせいだと落ち込みます。酷く落ち込んだ末に、思うように働けなくなり、お金の面でも追い込まれてしまう人もいるのは事実。

しかし、心理カウンセラーの大嶋信頼氏は、その背景に周囲からの「嫉妬」があると語ります。その嫉妬によって、精神的にも金銭的にもダメージを与えられてしまった例をご紹介します。

※本稿は、大嶋信頼(著)『お金持ちになる人の心理学』(PHP研究所)から、内容を一部抜粋・編集してお届けします。

 

嫉妬の電気ショックで感情がかき乱される

嫉妬の電気ショックといわれても、ピンとこないかもしれません。でも、自分が何かをしたとき、まわりの人たちの冷たい視線や態度を感じたことはありませんか。

自分では「わーい!」とみんなに喜んでもらいたいのに、シーンと冷たい空気が流れる。あの「シーン」という冷たい空気を受けるのが、嫉妬されやすい人なのです。

まわりの人たちは無反応なだけなのに、
「自分はここに存在しちゃいけないのでは?」
と、ものすごい精神的なダメージを受けますよね。

じつは、無反応で静かなはずなのに、まわりの人の脳では「ビビビッ!」と嫉妬の発作が起きていて、その過剰な電流が電気ショックのようにミラーニューロンを通じて伝わってくるために、「自分はダメな人間なんだな」と無力感にさいなまれるのです。

たとえば、自分が何かを話しているときに、「あー、そうなんだ」と相手から反応があったとします。それを聞いて、ほかの人は、ただ「そうなんだ」と言われただけ、となります。

でも、相手の脳の中で嫉妬の発作が起こっていると、相手から嫉妬の電気ショックを浴びて、「あれ?私、何かおかしなことを言った?」と不安になって感情がかき乱されます。

表面的には何も起こっていません。でも、相手が嫉妬の発作を起こしたら、その電気ショックが伝わってきて、感情が確実にかき乱されるのです。

ある女性は、派遣社員としてまじめに働いたことが認められ、「正社員になりませんか」と声をかけられました。それを同じ派遣社員の人に話をしたら、「よかったじゃない」と笑顔で応えてくれました。

でも、その直後に、「なんか私は悪いことを言っちゃったかな?」「自慢しているみたいで相手の気分を害したかな?」と不安になって、関係がぎくしゃくします。

すると、どんどん仕事ができなくなって、新しいことが覚えられなくなり、ほかの社員さんから「何度も同じことを言わせないで」と叱られるようになります。

その結果、「こんな会社は嫌だ!」となり、社員になることを断って、自分から契約を打ち切り、ほかの会社で一からやりなおすことになりました。

彼女は、同僚が笑顔で喜んでくれたので「嫉妬の電気ショックを浴た」という自覚がもてません。

嫌味を言ってくれたらわかりやすいのに、それがないから、「なぜだか、自分一人で勝手に落ち込んじゃう」と思ってしまいます。

実際は、脳のネットワークで「ビビビッ!」という電気ショックが伝わってきて、感情が乱されているのです。嫉妬の電気ショックで、どんどん仕事でミスをする状態になっているのに、そのことに本人もまわりの人も気がつけません。

でも、嫉妬の電気ショックによって、確実に感情がかき乱されて仕事のパフォーマンスは落ちています。そして、「ダメな人」に下げられてしまうのです。

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