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TOEIC950点の女性が「時給900円」で働く理由…“嫉妬の感情”の怖さ

大嶋信頼(心理カウンセラー、株式会社インサイト・カウンセリング代表取締役)

2020年12月04日 公開 2022年06月20日 更新

 

どこに行っても嫉妬され、攻撃されてしまう女性

ある女性とお会いして、「それだけの才能があるのに、なぜ時給900円の仕事をしているの?」とびっくりしたことがあります。「TOEIC」は950点で、英語で普通に会話ができるような女性です。

最初は、誰もがうらやむような大企業で働いていましたが、周囲から嫉妬されて精神的に参ってしまい、退職しました。しばらく休んで中小企業に就職したものの、そこでも女性社員から攻撃されてダメージを受け、「仕事が続けられない」という具合になります。

彼女の場合、美人で頭がよく、やさしい性格というところに、まわりの人たちの嫉妬が発生し、その嫉妬の電流に感電して、次々と職場を変えることになりました。

そして、近所のスーパーマーケットの仕事へと移ったわけですが、品出しでは「仕事ができない!」と店長から怒られ、パートの女性たちからは、「あなたを見ているとイライラする!」と言われて仕事を手伝ってもらえません。

これを見ると、嫉妬の発作が損を招くことがものすごくよくわかりすね。でも、本人は嫉妬されて落ちたことにまったく気がついておらず、「自分がダメだから仕事が続けられなかった」と本気で思っていました。

その後、「周囲の嫉妬の発作」と心のダメージのことを知って、心のダメージを治療したら、彼女はどんどん年収が上がっていき、高いところに飛んでいったのです。

その姿を見たとき、私も「ほんとうに嫉妬で損をさせられるんだ!」と、あらためて恐ろしくなりました。

また、ある男性は有名大学を卒業して一流企業に就職し、店舗の運営をまかされました。

ところが、同僚たちからの嫉妬で「頭が働かなくなる」状態になり、急に仕事ができなくなります。あれほど優秀で成績もあげていたのに、と会社の人もびっくりします。

本人は、職場に行くのが苦痛になったのは、同僚の嫉妬が原因とは気がつきません。とうとう同僚と顔を合わせるのが嫌になり、突然、会社に行かなくなって退職届を出しました。

そして、次の就職先でも、やはり同僚から嫉妬されます。なぜなら、同僚の嫉妬におびえるため弱者の立場になって、職場であっという間に嫉妬の対象にされるからです。

頭が真っ白になって仕事ができなくなるのを、本人は「メンタルの問題」だと思っていますが、それは同僚からの嫉妬の電流に感電して「頭が働かなくなる」というのが理由です。

でも、本人はそのことには気がつかず、転職をくりかえし、どんどん年収が下がって、とうとう実家にもどることになってしまいました。

 

嫉妬されると金銭的に損をさせられるしくみ

嫉妬の発作を起こしている人は、その発作で「破壊的な人格」に変身し、嫉妬している相手に精神的なダメージを与えます。

嫉妬された側は、精神的なダメージを受けると、どんどん自己肯定感が下がり、その人の本来の能力に見合っていない賃金で働くことになったりするのです。

嫉妬のダメージによって安い賃金で働いているのに、自己肯定感が下がった本人は「損をしている」とは感じません。そこが恐ろしい。ですから、嫉妬を浴びれば浴びるほど、精神的なダメージで「金銭的に損をさせられる」というしくみになっているのです。

さらに、嫉妬の発作はその人を「破壊的な人格」に変身させますが、その攻撃を浴びた側も「破壊的な人格」に変身します。脳には、相手の真似をするという特徴があるからです。

嫉妬している相手は、表面上はいくらニコニコしていても、脳内は「破壊的な人格」になっています。

その破壊的な人格になっている脳を、嫉妬を浴びている側が真似すると、「会社に対する不満がとまらない!」とか、「まわりにいる人が嫌になって会社に行きたくない」と破壊的な思考になって、会社を辞めることになるのです。

嫉妬を起こしている側は発作がすぐに収まって、「え?私そんなにひどいことを言った?」と、自分の発言すら覚えていません。発作で記憶が飛んでしまうからです。

でも、嫉妬された側は、いつまでも相手への怒りがとまらず、破壊的な人格になってどんどん損をするようなことをやったり、言ったりします。

自分が発作を起こしていた場合、時間がたつと発作は治ります。

でも、相手の発作を真似ている場合は、時間がたっても発作が消えず、破壊的なことをくりかえして損をしまくるようになるのです。

「本来は頭がいいはずなのに、なんでそんな計画性のない、ダメなことをするの?」という状況になるのは、嫉妬する相手の脳を真似て破壊的な人格になっているからです。

「いま、ここがチャンス!」という場面になればなるほど、嫉妬されたときのことが思い出され、頭が真っ白になってチャンスをつぶし、損をします。

本人は、「頭が働かなくなっている」「焦って、いっぱいいっぱいになっている」と思っていますが、実際は、「破壊的な人格」になってチャンスをつぶすときに、「頭が真っ白になる」という状態になるのです。

 

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