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生き方

「絶対に謝らない、他人の話をすぐ否定」…無神経な“ ヤバイ奴”から心を守る方法

ダンシングスネイル(イラストレーター・作家)

2020年12月23日 公開 2024年12月16日 更新

相談してもいないのに得意げにアドバイスしてくる人、相手が自分に合わせるのが当たり前だと思っている人、頭の中のフィルターを通さずに言いたいことを全部言ってくる人、遅刻しても絶対に謝らない人、何事も頭ごなしに否定してくる人――

誰でもそう聞いて頭に思い浮かぶ人物が1人や2人、いるのではないでしょうか?こういった無神経とも言える人は、どのコミュニティにも一定数いるものですよね。そして、そうした人の周りには振り回されて、胃の痛い思いをしている人も必ずいるのです。

ストレスを感じるからといってすぐに切ったり捨てたりできないのが人間関係の難しいところ。今回はそんな迷惑な人、失礼な人と関わらなければならなくなった時に健康なメンタルを保つちょっとしたコツをご紹介します。

※本稿は、ダンシングスネイル(著)『ほっといて欲しいけど、ひとりはいや。』(CCCメディアハウス)より、内容を一部抜粋・編集してお届けします。

 

「ヤバイ奴質量保存の法則」

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かつて「ヤバイ奴質量保存の法則」という言葉が流行した。

どこにでも必ず一定の割合でヤバイ奴が存在し、既存のヤバイ奴がいなくなると、それまでまともだった人が突然イカれたことをしだす、というもの。もし、いくら考えても自分のまわりにはそんな人はいないというのなら、ほかでもない自分自身がそれである可能性が高い。

この笑い話は、集団内での関係において私たちの心理がどのように働くかを説明している。人はたいてい、自分の立場から世の中と他人を見ている。だから、気を遣われることに慣れている人ほど、相手のガマンを見落としがち。

単純に、自分が楽だから相手も楽だろうと感じてしまうのだ。反対に、気を遣ってばかりいる人は、自分がしょっちゅうガマンしているので、相手のガマンにも敏感になり、自ずともっと気配りをするようになる。

だから、俗に「ヤバイ奴」と呼ばれる自己中心的な人であるほど、他人の気配りにも、ガマンにも気づかない。
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つまり「ヤバイ奴」がどの集団にも一定数いるということは、誰でも無意識のうちに集団内の「ヤバイ奴」になっているかもしれない(自分自身も例外ではなく)ということ。

だからこそ本人には自覚がありません。

あえて人に不快な思いをさせてやろうとか、意図的に迷惑をかけてやろうというつもりはないのです。むしろ、親切心からの言動である場合も少なくないでしょう。

ならば、周囲が取るべき態度は、気を遣って迷惑していないようなフリをするのではなく、できるだけ「つらい!」ということをわかりやすく伝えることです。

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どうせ「ヤバイ奴」のために犠牲になり、配慮をしなきゃならないのなら、わざとらしくアピールもして、つらければつらいと言おう。

言葉に出さずにわかってもらおうとするより、そのほうがお互いに気を遣える近道になるだろうから。
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イヤだと思うことに“他人の許可”はいらない

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悪いのはそちらのくせに、こちらを申し訳ない気持ちにさせる神秘なる能力を持った人たちがいる。彼らは私の不快感に「神経質だ」、「おおげさだ」というレッテルを貼る。

自分は悪くないと頭ではわかっていても、その言葉を聞くと、心が縮こまって確信が持てなくなる。それで、まわりの人たちに聞くことになる。

「こういうことがあって、イヤだなって思ったんだけど、私が神経質なのかな」

そして、ほかの人だったら同じ状況にどう対処しただろうかと思い悩んで、人生を浪費する。
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こうした状況は周囲に細やかに気を配っている人ほど陥りがちです。

自分が感じた不快感を、「ほかの人ならどうするか」という他人のものさしで計ろうとすることは、自分自身を疑い、否定し、大切な自尊心を傷つけてしまう行為にもなり得ます。

たとえ自分がほかの人よりちょっと敏感だとしても、それが他人に感情を否定される理由にはなりません。

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王様じゃなくたって、イヤだと言ったらイヤなのだ。イヤだと思うことに他人の許可はいらない。このお節介な世の中で、少なくとも自分の感情にだけは、ありのままに存在する自由を与えてあげよう。
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「ヤバイ奴」から自分の心を守る2つの言葉

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