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「とり天には白ワイン?」…初心者でもできるマリアージュ

吉田恵理子(ワイン&フードライター)

2021年06月10日 公開 2021年07月09日 更新

ワインは趣味になる――。こう語るのはフランス在住のライター、吉田恵理子さんだ。ワインの知識を深めれば私生活だけでなく、仕事や人間関係の面でも豊かになれるという。

吉田さんは著書『ワインを飲めばすべてうまくいく』にて、知識の深め方やワインが人生にもたらしてくれる影響について紹介している。

代表的な楽しみ方である"マリアージュ"は初心者でも挑戦できるというが、どういうことなのだろうか。本稿では同書より、ワインと料理の組み合わせ方について解説する。

※本稿は、吉田恵理子 著『ワインを飲めばすべてうまくいく』(インプレス刊)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

マリアージュにひとつの正解はない?

マリアージュとは、ワインと食べ物のベストな組み合わせのこと。ペアリングとも呼ばれます。食とワインの組み合わせはとてもとても難しい問題で、正解が出にくいものです。

なぜなら、クラシックでシンプルなレシピならいいのですが、近年はフレンチでもイタリアン、中華、和食でも古典的なレシピにないハーブや調味料を多く使う傾向があるので、それにベストマッチのワインを選ぶとなると、どうにも難しいことになってしまうのです。

食事に合うワインに関しては、まずはプロであるソムリエに質問するといいでしょう。ソムリエは、その日の料理に使われている素材・調味料などを記憶しています。自分の好きなワインの味の傾向を伝え、その日選んだメニューに使われている素材に合わせてセレクトしてもらうのがベストです。

 

最初は「色」と「甘さ」を合わせて選ぶ

ベストな組み合わせ、いわゆるマリアージュを得るには相当な技術と知識を要しますので、優秀なソムリエの方におまかせしましょう。自分で選ぶ場合、おすすめしたいのは「まあまあ」の組み合わせです。

後ろ向きな考え方ではありますが、チャレンジ精神で「史上最高のベストマッチ」を目指すより、「まあまあ」を狙ったほうが、楽しい時間を過ごせる可能性が上がります。危険を冒すのは、家で実験的にやればいいのです。

では、「まあまあ」の組み合わせを作る方法とは? それは、ワインと食事の「色」と「甘さ」を合わせることです。

まず、「色」について。かなり大雑把に申し上げますと、茶や赤っぽい色の食べ物には赤ワイン、白っぽい色の食べ物には白ワインを合わせれば、だいたいOK。この法則は、なにも洋食に限りません。

普通の麻婆豆腐には赤ワインが合い、白い麻婆豆腐には白ワインが合います。また、鳥の唐揚げには赤ワインが合い、とり天には白ワインが合います。本当です。

また、茶色や赤色の中でも色の濃淡がありますが、それはそのまま赤ワインの軽さ、重さに合わせましょう。つまり、濃い色の食べ物には重いワインを、薄い色の食べ物には軽めのワインを合わせます。白も同様です。

ロゼやオレンジ(アンバー)はどうかというと、これらは味のカテゴリー的に「中間」の役割を果たすことが多いので、「この食事には赤でも白でもないな」という時に合わせてみると、けっこうな確率で成功します。

ほのかに甘かったり優しい味わいのものも多いので、アジア料理、中華や日本の家庭料理などに合いやすいのも特徴です。

色を決めたら、次に考えるべきは「甘さ」です。甘さのある食事にはやや甘めのワイン。逆にさっぱりして甘みが出ていない食事には、辛口のワインを合わせてください。

たとえば、筑前煮などの甘めの煮物、また酢豚や焼売などに辛口でさっぱり軽い白を合わせると、味のバランスが悪くなり、なんだかワインではなく水を飲んでいるような感じがします。

逆に、あっさりした白身のお刺身や寿司にほのかに甘口の白ワインを合わせると、食べ物の味がワインの甘みにかき消されてしまい、残念な結果となります。

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