100万円でオープン、2カ月で全額回収…小さなラーメン店だからできる「儲け方」
2021年06月18日 公開 2024年12月16日 更新
一般的に、飲食店を開業するには多額の初期投資が必要となる。しかし、カウンター数席のみでも成り立つラーメン店は、100万円台でも始めることができる。副業として始める人も多い「ラーメン店投資」というビジネスモデルを推進する「ラーメンプロデューサー」藏本猛Jr氏が、手がけた事例を元に、小さなラーメン店ならではの儲け方を語る。
※本稿は、藏本猛Jr著『400店以上を黒字に導いたプロが教える ラーメン店投資術』(PHPエディターズ・グループ)より一部抜粋・編集したものです。
小さな「居抜き」物件なら安く始められる
私がプロデュースしたラーメン店の中で最も安い事例では、約100万円でオープンできました。都内の物件で、面積は11坪、カウンターのみで8席、家賃は11万円です。
元がラーメン店だったため、設備をそのまま使えて内装改装費はゼロ、初期投資金額としては、看板代に60万円、そのほか人材募集費と教育費と広告宣伝費で40万円、合計100万円で済んだのです。
このように、設備や備品、内装などがついたままで売買・賃貸借される物件を「居抜き」物件と呼びます。初期投資金額を抑えるなら、居抜き物件を選ぶのがよいでしょう。
小さなラーメン店は、カウンター内を一人で切り盛りするワンオペが可能になるので、人件費を抑えられます。家賃が安く、水道光熱費もあまりかからないため、毎月の諸経費も少なくて済みます。初期投資金額が少なく、毎月の利益率が高くなるため、回収も早くなります。
このお店は、オープン初月は200万円以上の売上を上げました。そこから家賃や人件費や食材費や広告宣伝費などを引いても、50万円以上の利益がオーナーさんの手元に残ったはずです。
つまり、オープンから2カ月で初期投資額を回収して、3カ月目からは利益がそのままオーナーさんの収入になっています。仮に初期投資金額が100万円で利益が毎月10万円だとしても、年間120万円の利益ですから、年利で20%の高利回りになります。
初期投資金額を回収するまでの期間は、この事例にように早ければ2~3カ月、平均では2~3年くらいです。つまり、通常は年利で30~50%くらいを見込むことができます(現在は新型コロナウイルスが流行中なのでもう少しかかります)。
小さなラーメン店のメリット
カウンター8席だけというのは、飲食店としては小規模と感じるかもしれませんが、ラーメン店としては決して珍しい形態ではありません。もっと小さな店舗で営業しているラーメン店も数多くあります。
実は、店舗が小さいことにはメリットがたくさんあります。前述したように諸経費を抑えられることに加えて、注目すべきなのは、いつも混んでいる人気店を演出できることです。
小さなラーメン店では、一度に多くのお客様にサービスを提供できないという弱点があるのですが、これを逆にうまく利用するのです。
雑誌やテレビで定期的にラーメンの人気店が特集されていることからもわかるように、日本人はラーメンそのものが好きであると同時に、「人気店」が大好きです。
行列ができているお店を見た人は、「並ぶのは面倒だから別の店にしよう」ではなく、「こんなに混んでいるのだから、人気店なんだな。きっとおいしいに違いない」と考えます。
そして行列に並んでくれるか、「今度食べに行こう」と覚えて次の機会に来てくれるのです。小さなラーメン店では行列ができやすいため、それが広告宣伝効果をもたらします。ことラーメン店に限って言えば、行列は悪ではありません。
店舗が中途半端な広さの場合には、店外に行列ができ、店内はワンオペで回せるように、あえて座席の数を少なめに設計することもあります。なおその際、座席の数は後から増やせるようにしておきます。
通常のコンサルタントであれば「お客様の回転率を上げましょう」と指導するところを、私は逆に、適度に回転率を下げて行列を作ることで、人気店を演出し、結果として実際に人気店にしているのです。