「鏡の自分に向かって…」松岡修造が明かした“誰でも前向きになれる準備運動”
2021年09月02日 公開 2024年12月16日 更新
95年のウィンブルドン選手権で、日本人男子として62年ぶりのベスト8進出を果たすなど、プロテニスプレイヤーとして功績を残した松岡修造さん。
現在はジュニア選手を育成・強化する指導者、そしてスポーツキャスターなどと幅広く活躍している。
そんな松岡修造さんは、新たに著書『修造流・逆転の発想法』(PHP研究所)を上梓した。松岡さんの人生や、実際に指導として伝えていることを元に、"弱さを強さに逆転させる具体的な方法"を綴っている。
本稿では、その中ですぐにできて前向きになれる"準備運動"についての一説を紹介する。
※本稿は、松岡修造 著『修造流・逆転の発想法』(PHP研究所)より、内容を一部抜粋・編集したものです。
鏡に向かって「できる!」と言ってみよう
どうですか? 鏡の中の自分に向かって、言ってみましたか?「できる!」と口に出して言うと、不思議と「できる」気がしてきませんか。
「そうは言っても、ただ『できる!』って言うだけで、できないことができるようになるわけないじゃないか」そう思う人もいるかもしれません。たしかにそのとおりです。
「できる」ようになるには、そのための具体的な方法を考え、実行する必要があります。でも、そもそも「できる」と自分で思わないかぎり、「やろう」と行動することもないでしょう。人は「できない」と思い込んでいることはまずやらないし、やらないかぎり「できる」可能性はゼロです。
むずかしそうなことでも、「キミならできる!」と誰かに言われたら、やってみようという気になりますよね。少なくとも「キミにはできないよ! 無理だよ!」と言われつづけて、やる気になるとはとても思えません。
それなら、その「誰か」のかわりに、まずは自分で自分に「できる!」と言ってあげませんか。「できる」と自分で口に出して言うと、「そうか、できるのか」と、脳がだまされてくれます。そして「できる」方向に向かって脳が動きだし、前向きな行動のスイッチがオンになる。
さらに!鏡に向かって言うと、鏡の向こう側の「誰か」から声をかけられているような感覚にもなりますよね。その結果、発した言葉が自分の意識の中に強力に注入されることになります。
さあ、もう一度「できる!」と言ってみよう。どうですか? 自分の「できる!」という言葉を受けとめてスイッチオン。キミの脳が「できる」モードに突入です。
*「できる!」と口に出して言えば脳は簡単にだまされる
鏡に向かって笑ってみよう
せっかくだから、そのまま鏡の前で、もう一つ、別のやり方で脳をだましてみましょう。やり方は超簡単。とびきりの笑顔をつくる。これだけです。笑顔をつくると、脳が「楽しい」と錯覚して、自動的に気持ちが前向きになるんです。
怒っているときでも、笑ってみると、怒るのがバカらしくなってきます。なにしろ、怒っているのに笑っちゃってるんですから。笑顔になると、心も体もポジティブな方向に行きやすくなる。
この感覚は、やってみないことには実感できません。だから、まずはみんな「笑顔チャレンジ」してみようよ。顔じゅうが笑いジワだらけになるような、表情筋を総動員した笑顔にチャレンジしてみよう。
実際、僕も笑顔をつくっていくなかで、最初は頰のあたりの疲れがすごかった。これってほんとうの笑顔なのかな?という思いになったこともある。
それでも、そのうちに笑顔でいることが自然になって、同時に自分をとりまく人や物事が、前向きに動いてくれるのを感じられるようになっていったんだ。
少なくとも、笑顔になって損をすることはありません。いま、キミの気分がちょっと下がりぎみだとしても、まずは笑ってみることから始めてみよう!
*笑顔になるとまわりの人や物事が前向きに動きはじめる