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村上、森下、伊藤、栗林…侍ジャパンが金メダルを獲得できた「決定的な理由」

ゴジキ(@godziki_55)/野球著作家

2021年10月04日 公開 2024年12月16日 更新

1年の延期を経て、未だ続くコロナ禍の下で執り行われた東京2020オリンピック。日本の代表選手団は数々の種目で功績を残した。その中の一つに、見事金メダルを制した"侍ジャパン"が挙げられる。

野球著作家のゴジキ(@godziki_55)さんは、著書『東京五輪2020 「侍ジャパン」で振り返る奇跡の大会 』で、侍ジャパンが優勝できた要因について振り返る。

本稿では、同書より日本代表選手の活躍ぶりをわかりやすく記した一説を紹介する。

※本稿は、ゴジキ(@godziki_55)著『東京五輪2020 「侍ジャパン」で振り返る奇跡の大会 』(インプレス刊)より一部抜粋・編集したものです。

 

日替わりでヒーローが生まれた大会

決勝戦では、ここまでも打撃の調子は良かった山田が試合を決める活躍を見せ、メキシコ戦と同様に勝利へ貢献した。今大会の日本代表は、試合ごとに日替わりでヒーローが生まれたことが強みだ。

初戦ではドミニカ共和国のメルセデスに苦戦しながらも救援陣を攻略していき、坂本がサヨナラタイムリーを放った。2戦目のメキシコ戦では山田が3ランホームランを打ち、坂本がアベックホームランを放ち、伊藤がリリーフとして完璧な投球を見せた。

準々決勝のアメリカ戦では、1点リードされた9回裏に浅村がつないで柳田が同点となるセカンドゴロで追いつき、タイブレークに突入後は栗原が一球目でランナーをしっかりと送り、途中出場の甲斐がサヨナラタイムリーを放った。

準決勝では、伊藤が2イニングを無失点に抑え、日本に再度流れを引き寄せた。試合中の韓国からのクレームにも動じなかった。8回裏には柳田のヒットから2死満塁のチャンス、山田が走者一掃の勝ち越しツーベースを放った。

決勝では、村上が先制ホームランを放ち、森下がアメリカ打線を5回まで3安打に抑える素晴らしい投球を見せた。8回には吉田がヒットを放ち、山田がホームインしてさらに点差を広げた。最後はクローザーとしてフル回転した栗林が抑えた。

今大会では、村上、森下、伊藤、栗林といった若い力が躍動し、実績組もそれをカバーするかのような活躍をした。この若手組と実績組との融合が、最も具現化できた大会だったと感じる。

 

ディフェンス面でも見られたレベルの高さ

今大会での攻撃パターンのバリエーションの豊富さは、他国と比較しても勝る部分が多かった。オフェンス面とは別に、ディフェンス面でも他国よりも勝っていただろう。失策数は参加国最小の1つ(ドミニカ共和国も同一で失策数1つ)。これだけを見てもディフェンス力の固さがわかる。

北京五輪では、連携ミスやディフェンス力の粗さから他国に敗れるケースが多く見られたが、今大会での日本のディフェンス力は圧倒的だったと言える。

特に、菊池、山田と坂本の二遊間は、ランナーを置いた場面で相手が転がせば、高い確率で併殺打にしていた。この信頼関係から、バッテリーも併殺打で抑えるという選択肢を上手く活用していたのではないか。派手な得点シーンに隠れがちなディフェンス面だが、このような緻密な守備を積み重ねていったことが、金メダルへつながったのだろう。

決勝後に坂本は「ミスがほぼなかったのは、日本の強みだと思います。守備から攻撃にといい流れで試合が出来ました」と振り返っていた。まさにそうだった。

余談だが、私がファンでもある巨人軍は、昨シーズンは3割打者が不在の中で優勝し、失策数は12球団で最小の43で2連覇を飾ったのだ。このような実例でもわかるように、無駄なミスをなくすことが勝利への確率を高める必須事項なのだろう。

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プレッシャーを乗り越え全勝優勝

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