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生き方

「なんでも反対する」は目立ちたいから?...自己中な人の未熟な心理

渋谷昌三(目白大学名誉教授)

2022年07月06日 公開 2022年08月09日 更新

 

「でも」「だけど」と、必ず横やりを入れる人

グループで話し合っているときに、なにかというと反対したがる人がいます。たとえば、職場で飲み会の計画が決まりかけたとき、

「でも、その店あんまりおいしくなさそうだし...」
「ちょっと高いんじゃないの?」

などと、横やりを入れてきます。タチが悪いのは、仕事上の会話でこれをやる人です。部下や後輩のアイデアを、必ず一度は否定する上司、新しいやり方や提案は、ことごとく反対するリーダーなどがいますが、こういう人は職場に実害をもたらしかねません。

だからといって、自分にもっといいアイデアがある、というわけでもありません。

「どこが悪いのか、教えてください」と尋ねても、重箱の隅をつつくような難癖をつけるばかりで、建設的な意見が聞けることは、あまりありません。

こうした人は、リーダーやまとめ役になる人が、気に入らなくて仕方ありません。なぜなら、本当は自分が一番目立ちたい、周りに認められたいと思っているからです。

けれど、それにふさわしい能力や経験、アイデアが自分にはないこともわかっています。そこで、「だけど」「でも」と、口をはさんで、自分に注目を集めようとするのです。

こういう人の反論は、ちゃんとした理屈になっていないことが多いので、「また反対かよ!」とカッカするよりも、冷静に理詰めで反論し返すと、しぶしぶ黙ります。

また、理由のない反対には、「じゃあ、私には難しいから、あなたがまとめ役になって」と、いっそのこと預けてしまうのも手。まとめ切れずに投げ出した頃を見計らって、再度話を進めれば、今度は「でも」とは切り出さないでしょう。

理詰めで反論するか、「じゃあ、やって」と、任せてしまいましょう。

 

自分は特別だと勘違いしている、おめでたい人

なんの根拠もないのに、自分だけはなにをやっても許されると思い込んでいる人がいます。

たとえば、ミスを犯したのに、人ごとのような顔をしている新入社員。周囲に迷惑をかけていることを理解している様子が感じられず、ちょっと厳しいお小言を言えば「私はこういう仕事に向いてないんですよねえ」「もっと僕のこと理解してくれる会社だと思っていたのに」と、不服顔で上司に文句を言い出す始末。

「お前にできる仕事なんて、どこにもねえよ!」と、怒鳴りたくなるのを我慢している上司が気の毒に思えてきます。

また、「私は感受性が強いから、すぐ気にしちゃうタチなのよね」と、上目遣いで話す人。本人の言葉とは裏腹に、よほど神経が図太いタイプと見ていいでしょう。

彼らは、なぜか自分を特別な存在だと勘違いしています。周囲が大切にしてくれるのが当たり前だと思っているのです。こういう人は、ずっと甘やかされて育ってきた人に多いのですが、大人になっても「甘える」気分が抜けておらず、そのやり方をとおそうとするのです。

けれど、赤の他人が、甘えを受け止めてくれるわけがありません。すると、「ちっとも自分のことをわかっていない」と、被害者ヅラをします。

そして誰かに相談するという形で、甘えや依存したい心を満たそうとするのです。いうなれば、だだをこねているお子ちゃまということです。

こういうタイプは、いちいち相手にしていても仕方ありません。放っておいてもかまわないでしょう。もし「自分のことを邪険にする意地悪でひどい人」などとそしりを受けたら、「気づかなくてごめんなさいね」と言葉だけでも謝っておけば、ケロリと機嫌は直るでしょう。

甘えを受け止めると、子守役にさせられます。「わかってあげなくてごめんね」と謝るだけにとどめておきましょう。

 

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