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休日にダラダラは注意? 医師が語る「自覚のないストレス」の見分け方

西多昌規(精神科医)

2022年10月10日 公開

長いコロナ禍の生活で、これまでにない疲れやストレスをためこんでいる人が多くいます。それらをうまく解消して、心を軽く、穏やかに過ごしましょう。精神科医の西多昌規さんが、ストレスを解消する方法を紹介します。

※本稿は『PHPスペシャル』 2022年10月号より抜粋・編集したものです。

 

コロナ禍で新しい悩みやストレスが増えた?

新型コロナウイルスの感染が拡大して、私たちの生活は大きく変わりました。感染が拡大している時期には、多くの方が外出を控え、仕事はリモートワーク中心となり、人と接触する機会が減ったことでしょう。

このようなコロナ禍の生活が肌に合い、今も同じ生活を続けている方もいると思います。ですがコロナ禍は、多くの人に新しい疲れや悩み、ストレスをもたらしたとも言えます。

たとえば、コロナ禍になって運動量が格段に落ちた、人とのつながりが極端になくなった、陽光の差しにくい部屋でのオンライン会議が続いて、不安を和げるセロトニンや、良質な眠りに必要なメラトニンの分泌が妨げられた。こうしたことが、身体の健康やメンタルに良くない影響をもたらしたのです。

また、以前は人間関係の悩みといえば、「嫌な人、苦手な人とどうつきあうか」ということがストレスで、大きな問題でした。ですが、コロナ禍で人づきあいが減ったことにより、若い人ほど「人とどうつきあったらいいのか、どうやって親しくなればいいのか、わからない」といった悩みが増えています。

徐々に社会は、「コロナ前」に戻っていきます。「コロナ禍からリアルに戻る」生活は、「コロナ禍の生活に入る」ときよりも強いストレスがかかると思われます。ややしんどく感じる人が多いでしょうが、疲れやストレスをためこまず、うまく解消して乗り切っていきましょう。

 

「抱え込みやすい」人の特徴は?

今、どんな人が疲れやストレスを抱え込みやすいのでしょうか。特に女性は次のような特徴があります。

1. 誰かと話す機会がない(少ない)

あなたは最近、誰かと雑談しましたか? 男性に比べて女性は、集まって話す機会が多いものです。女性は元来、悩みを一人で抱え込みやすいのですが、じつは「おしゃべり」でストレスを発散しているのです。

ですがコロナ禍では、職場でも机と机の間にパーテーションがあったり、会話や雑談を極力控えるように言われていたりと、話をしにくい雰囲気になりました。

知人や友人と会って話す機会も、もちろん減ったことでしょう。話す機会を奪われたことにより、女性はよりストレスをためやすくなっているのです。

2. つねに仕事や家事に追われている

ずっと仕事や家事・育児に追われて休みがないのも、疲れやストレスを抱え込みやすい要因です。とくに、家事・育児には終わりがありません。そこで高い理想を持ち、100%完璧に家事・育児をやろうとする人は、理想を達成できない自分に悩むことになります。

さらにコロナ禍では、「パートナーの非協力」が問題になっている場合もあります。「在宅ワークで家にいるなら、もっとやってくれてもいいのに!」とパートナーへの不満が増え、ストレスがさらに募ってしまうのです。

3. 一人の時間がまったくない

女性は誰かと話をする機会が必要だと言いましたが、ずっと誰かと一緒で一人の時間がないのも問題です。コロナ禍では人と接触する機会が減り、一人の時間がとりやすくなった人もいるでしょうが、子育てをしていたり働いていたりすると、依然として一人の時間がとりづらい状況です。

4. 不眠や睡眠不足に陥りがち

疲れをためずに身体をリセットするために睡眠は欠かせません。ですが、30~50代女性は、男性よりも睡眠時間が短く、睡眠不足になりがちです。日本の女性はとくにまじめで完璧主義傾向が強い人が多いので、家事・育児も仕事もパーフェクトをめざし、睡眠時間を削ることになるのでしょう。

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こんな症状が出たら要注意!

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