物価の上昇、急激な円安、年金の納付延長など、日本経済は依然として厳しい状況が続き、将来への不安が高まっている人もいるでしょう。
中には、「株や投資で稼ぎたい」「起業して事業を成功させたい」と、成功者になるための方法を探しはじめている人も少なくないはず。成功者と呼ばれる人はどのようにして、望む結果を手にしているのでしょうか。
累計100万部突破した『ユダヤ人大富豪の教え』の著者でもある作家の本田健氏は、「自分が本当にやりたいことを情熱的に追い求めることが大切」だと指摘します。成功している人に共通する習慣や考え方について詳しく聞きました。
※本原稿は、本田健訳『新訳 引き寄せの法則 エイブラハムとの対話』(SBクリエイティブ)の刊行をきっかけにインタビューしたものです。
何を望んでいるのか明確にする
成功している人に共通している習慣として、達成したい夢や目標について絶えず考え、行動し、その夢を誰かに話していることです。
お店を開いて成功したい場合、前提としてどんなお店にするか、どこにオリジナリティがあって、他のお店とどう差別化をするのかを考えると思います。
それと同時に「店長を探しているんだ」と周囲に伝えていくことも大切です。そうすると、「実は、高校の同級生が...」などと連絡があり、人材が集まってくるかもしれません。
また「ベンチャーキャピタルの人が投資してくれるかもよ」と、企業に向けた情報を教えてくれたりする人も出てくるかもしれません。
「考えること」と、「人に話すこと」をセットに行動していくと、アイデアも情報も集まりやすものです。
中でも大事なのは、自分にとってどんな情報が必要なのかを明確にすることです。これは自分が何を望んでいるかを明確にして、それを周りの人たちに話していく技術みたいなものだといえます。
簡単なことのように聞こえるかもしれませんが、実はほとんどの人たちが出来ていません。成功できていない多くの人が、自分の中だけで考えてしまい、他人に助けを求めたり、頼ったりしていない場合がほとんどだと思います。
周りの人たちをワクワクさせる生き方をしているかどうかも、大切です。例えば、私が「新刊が出る」と話しても、周りの人たちは「へ〜そうなんだ」で終わってしまいます。でも、「英語で書き下ろして世界的なメジャー出版社から本を出そうと思っています」というと、相手の反応が変わってきます。
そういうエベレストに登るような高みの目標を目指すと、「すごい」「何か手伝えることは?」と応援されます。なかなか成し遂げられない夢や目標だからこそ、周囲の人もワクワクしてくれるでしょう。
実際にアメリカで本を出版した際、アメリカの日系人でも、それがどれだけ難しいか知っているので「空港で健さんの本を見つけた時、涙が出ました」と言われたことがあります。そんなに喜んでもらうほどのことなのかな? と驚いた記憶があります。
そういうワクワクするプロジェクトをやっていると、みんな「手伝いたい」「何かやろうか」と言ってくれたり、応援してくれたりする人が自然と集まってくるでしょう。
「好奇心」を持つことが大事
大きな夢でも、その人の個人的な夢では、周りから応援されることは難しいでしょう。例えば、"ベンツを買いたい"というだけで、クラウドファンディングで「ベンツを購入するための応援をお願いします」と言っても、「それは自分で買えばいいのに」となり、周りからの応援は受け取れないでしょう。
なぜかといえば、その人を応援したい気持ちにならないからです。「自分のためだけの夢」に関しては、他人から応援や協力を得るのは難しいでしょう。
つまり「多くの人がワクワク」したり、それは「頑張って欲しい」と思えるものに、情報もお金も人も集まってきます。成功する人は、絶えず人がワクワクすること、 そこをすごく意識した目標を設定して行動しています。
最近は、「目標がない」とか、「そんなに成功しないでもいいや」と思う人が多いですが、成功する人に共通しているのは「好奇心」を持っていることです。自分の未来に対してワクワクできるか、ということです。
私は今50代ですが、同級生を見ていると多くの人が、「あと数年で定年を迎えて、退職金がいくらもらえて」と、守りに入っているように感じます。
一方、私は自分の未来に対してワクワクしています。成功するかどうか、またどこまで何を出来るかで分かりませんが、とにかくやってみたいという「好奇心」があります。
このことに年齢は関係ありません。20代でも80代でも、それは変わりません。もしあなたが80代だったとしても、その人が自分の未来への好奇心を持っていたとしたら、その人は幸せな人だと思います。
自分の未来に対して好奇心を持てるようになると、「これもできる」「あれもできる」という気持ちになります。自分がちょっとずつ努力をして、それで人生が変わっていけば、"もうちょっとやってみようかな"、という気持ちに自然となってくるでしょう。