カロリーゼロの炭酸飲料は本当に体に良いのか? 英大規模研究で判明した驚きの結果
2025年10月08日 公開
暑い日に気分をリフレッシュしたくて、つい炭酸飲料を手に取る――そんな瞬間は誰にでもありますよね。
カロリーを気にして、人工甘味料を使った"ダイエット炭酸飲料"を選ぶ人も多いでしょう。
けれども、その選択が本当に体に優しいとは限りません。最新の英国の大規模研究では、人工甘味料入り飲料も健康リスクを高める可能性があることが明らかになりました。
人工甘味料入りの清涼飲料水を飲むと、どんな影響があるのか
結論から申し上げて、人工甘味料入りの低糖/無糖の飲料水も、砂糖入り飲料と同様に肝臓病のリスクを高める可能性がある――そんな結果が、10万人以上を対象とした英国の大規模調査で明らかになりました。研究によると、いずれの飲料も脂肪肝(MASLD:代謝異常関連脂肪性肝疾患)の発症率を大きく押し上げることが分かりました。
MASLDは、飲酒習慣がない人にも見られる慢性肝疾患で、現在は世界人口の約30%が罹患していると推定されています。放置すれば肝炎や肝硬変、さらには肝がんへ進行することもあり、いまや世界的な公衆衛生上の課題となっています。
この研究は2025年10月、ベルリンで開催された欧州消化器学会「UEG Week 2025」で発表されたもので、調査チームは、英国バイオバンクに登録された12万3788人を平均10.3年間追跡し、飲料の摂取状況と肝臓病の発症との関係を分析しました。
その結果、1日あたり250グラム以上の砂糖入り飲料を飲む人はMASLD発症リスクが約50%、人工甘味料入り飲料を飲む人では約60%上昇していたことが判明しました。さらに、人工甘味料入り飲料の摂取は肝疾患による死亡リスクの上昇とも関連していたといいます。
「1日1本でもリスク」研究者が指摘
研究を主導した中国・蘇州大学附属第一病院のリ・リウ氏は、「これまで人工甘味料入り飲料は"健康的な代替品"と考えられてきましたが、1日1缶という控えめな摂取でも肝臓病リスクの上昇が確認されました」と警鐘を鳴らします。
甘味料入り飲料はダイエット目的などで広く消費されているものの、実際には肝臓への影響が軽視されてきたのが現状です。今回の研究は、その「安全神話」に疑問を投げかける結果となりました。
リウ氏によると、砂糖入り飲料の場合は血糖値とインスリンの急上昇、体重増加、尿酸値上昇が脂肪肝の発症に関与すると考えられる一方、人工甘味料入り飲料は、腸内細菌のバランスを乱したり、満腹感のコントロールを妨げたり、甘い味への依存を助長することなどで肝機能に悪影響を及ぼす可能性があるといいます。
水への置き換えでリスク軽減も
研究チームは、こうした飲料を控え、水に置き換えることでリスクが大きく減少することも示しました。具体的には、砂糖入り飲料を水に替えるとMASLDの発症リスクは12.8%減少、人工甘味料入り飲料を水に替えた場合は15.2%減少するという結果が得られました。
リウ氏は「最も安全なのは砂糖入り飲料と人工甘味料入り飲料の両方を控えることです。水は代謝負担を軽減し、肝臓への脂肪蓄積を防ぎながら、体を健やかに保ちます」と述べています。
肝臓を守る最も簡単な選択肢
今回の研究では、砂糖や人工甘味料を含む飲料の摂取がこうしたリスクにどのように関与しているのかを明確に示した点に大きな意義があります。研究チームは今後、人工甘味料と腸内環境の関係などをより詳細に検証していく予定だといいます。
砂糖入り飲料が健康に悪影響を及ぼすことは知られていましたが、今回の研究は「ダイエット飲料も安全とは限らない」ことを科学的に裏付けました。肝臓の健康を守る最も手軽な方法は、飲み物を"水"にすること。毎日の小さな選択が、将来の大きな健康リスクを減らす第一歩になるかもしれません。
【出典】
United European Gastroenterology(UEG)公式リリース(2025年10月6日発表)
Liu, L. et al. UEG Week 2025, Berlin, Germany
Soochow University, Department of Gastroenterology







