朝食にくるみを食べるとどんな影響がある? 脳と体に良いシンプルな食習慣
2025年10月11日 公開 2025年10月15日 更新
くるみはナッツ類の中でも栄養価が高く、オメガ3脂肪酸を豊富に含むことから、心身への影響が研究されてきました。では、朝食に取り入れると、どのような変化が起きるのでしょうか。英国の大学で行われた最新研究の結果を中心に紹介します。
朝食にくるみを食べると脳の働きがアップ?
朝食にくるみを取り入れることで、脳の働きが一日を通して活発になる可能性がある――。そんな興味深い結果が、英国レディング大学の研究チームによって発表されました。
研究では、18〜30歳の健康な若者32人を対象に、くるみを加えた朝食と、同じカロリー量の「くるみなしの朝食」をそれぞれ別の日に摂取してもらい、脳の反応や記憶力の変化を比較しました。
その結果、50g(ひと握りほど)のくるみをヨーグルトやミューズリー(オートミールにナッツやドライフルーツを加えたシリアル)に混ぜて食べたグループは、反応速度が一日を通して速く、夕方には記憶力テストでもより良い成績を示したといいます。
「くるみは脳の食べ物」を裏付ける結果
「朝食にくるみをひとつかみ食べるだけで、若者が最高のパフォーマンスを発揮しなければならない時に精神的な優位性を得られる可能性があります。このようなシンプルな食習慣が、認知能力に目に見える変化をもたらす可能性があることは、非常に喜ばしいことです」
レディング大学のクレア・ウィリアムズ教授はこのように語ります。
くるみには、オメガ3脂肪酸の一種であるα-リノレン酸、タンパク質、そしてポリフェノールなどの植物性成分が豊富に含まれており、これらが総合的に脳の働きを支えていると考えられます。
脳波の記録では、課題をこなす際の神経活動に変化が見られ、くるみを摂取した場合は脳がより効率的に働いていたことも確認されました。また、血液検査ではグルコース(血糖)と脂肪酸のバランスにも良い変化が見られ、これらが脳機能の向上に関係している可能性が示唆されています。
くるみが「心臓を守る」ことも 過去の研究ではLDLコレステロールが低下
今回の脳機能に関する研究結果は、過去の知見とも一致しています。アメリカ心臓協会(AHA)が2021年に発表した別の研究では、毎日くるみを食べ続けることで悪玉コレステロール(LDL)値が下がり、心血管疾患リスクの低下につながることが示されました。
スペイン・バルセロナと米カリフォルニアで実施されたこの研究には、63〜79歳の健康な708人が参加。参加者を「1日約50gのくるみを食べるグループ」と「まったく食べないグループ」に分け、2年間にわたって追跡しました。
・LDLコレステロールが平均4.3mg/dL低下
・総コレステロールも8.5mg/dL低下
・LDL粒子のうち、動脈硬化と関連する「小型で密度の高い粒子」が6%減少
特に男性ではLDL値の低下幅が大きく(−7.9%)、女性では−2.6%でした。
バルセロナ病院のエミリオ・ロス医師は、「くるみの健康効果は、単に"悪玉コレステロールを下げる"だけではありません。LDL粒子の質そのものを改善し、動脈の健康を保つ働きがあります」と語ります。
なお、この研究でも体重の増加は見られず、くるみに含まれる良質な脂肪はむしろ代謝を支えると結論づけられました。
「ひと握りのくるみ」がもたらす健康効果
脳の働きをサポートし、心臓の健康にも寄与する――。これまでの研究から、くるみはまさに「心と体の両方に良いナッツ」と言えそうです。
ウィリアムズ教授は「朝食にひと握りのくるみを加えるだけで、一日のパフォーマンスを高められるかもしれません」と語っています。日々の食卓に取り入れやすく、長期的な健康効果も期待できる"ナッツ習慣"。手軽にできる食生活の改善として、試してみる価値はありそうです。
【出典】
University of Reading/掲載誌『Food & Function』DOI: 10.1039/d4fo04832f)
American Heart Association/掲載誌『Circulation』DOI: 10.1161/CIRCULATIONAHA.121.054051)







