虐待やいじめがなぜ起こるのか
2020年01月08日 公開 2024年12月16日 更新
「強さ」を表す言葉
そのような「強さ」を道徳の用語で表わすと、「忍耐」「辛抱」「堪忍」「根性」「克己心」という言葉になります。
しかし、そのような言葉は、おそらく今日では、「カッコいい」とは評価されません。昔は堪忍できる人が、格好いい人だといわれて、人気もあった。
しかしいま、忍耐強いだけでは、なかなか評価されないと思います。むしろ「鈍くさい」とか「要領が悪い」などと軽く見られてしまうのではないでしょうか。
「忍耐」「根性」「辛抱」というのは、精神的・肉体的に、何かに耐え、何かを克服する強さがあって初めて成立する道徳です。
いま世の中で、その種の道徳に人気がないということは、つまり今日の日本では、強さに関わる価値があまり大事にされていないということの裏返しでもあるのです。