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節税アピールには注意...不動産投資で“不利な物件を買わせる業者”の見分け方

2023年03月05日 公開
2023年03月06日 更新

山本尚宏((株)WonderSpace代表取締役)

 

単身者のニーズに合った物件かどうかが重要

立地については、地方や郊外よりも、都市部を選ぶのが確実です。物件価格が高いぶん利回りは低くなる傾向がありますが、賃貸需要が高く、空室リスクが低いのは安心が違うからです。

ただし、都市部ならどこでもいいわけではありません。都市部でも空室が出やすい物件やエリアは存在します。家賃収入を得るには、あくまで「賃貸需要が高いこと」が重要です。

特に区分マンションの多くはワンルームなので、単身者のニーズを想定し、最寄り駅やターミナル駅までの時間、近くにコンビニがあるかなどの利便性を考慮することが必要です。

その視点で見れば、都内の城東エリアより、新宿・渋谷・品川などに電車一本で行ける横浜や川崎のほうが良い物件が見つかる可能性もあります。地方なら大阪や名古屋、福岡などの大都市が安心でしょう。

「区分・中古・都市部」の基本戦略に加え、物件選びでは他にも見極めるべき点があります。下記のチェックポイントを参考にしてみてください。

 

「手堅い物件選び」7つのポイント

(1)立地:20年後、30年後でも、人が住み続ける立地。
(2)駅距離:賃貸需要が高い駅から徒歩7分以内が理想。
(3)専有面積:単身者のニーズが高い25㎡前後。20㎡以下の狭い物件は避ける。
(4)マンションの総戸数:30戸以上が望ましい(最低20戸以上)。戸数が少ないと毎月の修繕積立金が割高になりやすい。
(5)築年数:家賃の下落率が低いのは、築10~20年。1981年の「新耐震基準」以前の物件は避ける。
(6)設備:一般的なマンションに備えられている設備が揃っている。
(7)間取り:部屋の間取りがシンプルなもの。好みが分かれる間取りは、空室リスクが高い。

 

「節税になる」を理由に投資を勧める会社はNG!

とはいえ、初心者が自分一人で物件を正しく見極められるのかと不安に思う人もいるでしょう。そこで重要になるのがパートナー選びです。信頼できる不動産会社や営業マンは、どう見つければいいのでしょうか。

まず不動産会社にはそれぞれ得意分野があるので、投資用物件を専門で扱う会社を選びましょう。提携金融機関も確認してください。

10行以上のメガバンクや地方銀行などと取引していれば、信用と実績がある会社と言えます(ノンバンク系では、オリックス、ジャックスと提携している会社は信頼度が高い)。

販売だけで管理は別会社に丸投げしている会社は注意が必要です。

販売会社と同じグループ内に管理会社がある、もしくは販売会社の中に管理部門があれば問題ありませんが、管理会社が別の場合は、その会社の管理戸数を確認してください。3000戸程度の物件を管理していれば、それなりのノウハウを持つ会社と判断できます。

初心者の方は「上場企業なら安心」「テレビCMでよく見る企業だから大丈夫」と思いがちですが、そうとは言い切れません。中でも要注意なのが「節税になるから不動産投資をしましょう」と勧める会社や、面談をするだけで数万円ものギフト券をもらえる会社です。

確かに不動産投資を始めて2年目くらいまでは経費が多くかかるので、節税になるのは事実です。しかし黒字経営に転換すれば、節税効果は長く続きません。事実と異なる説明をして物件を買わせようとする会社には気をつけてください。

高額なキャッシュバックで集客する会社は、そのコストを販売価格に転嫁している可能性があり、割高の物件を紹介されることがあります。いずれも信頼できるパートナーにはなりにくいと考えるべきでしょう。

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