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節税アピールには注意...不動産投資で“不利な物件を買わせる業者”の見分け方

2023年03月05日 公開
2023年03月06日 更新

山本尚宏((株)WonderSpace代表取締役)

 

複数の会社・営業マンに話を聞いてみよう

山本尚宏

信頼できる販売会社かどうかを見極めるのに、良い方法があります。それは「賃貸履歴を見せてほしい」と頼むこと。賃貸履歴とは、物件の過去の家賃を一覧にしたもので、販売会社が想定する家賃が適正かを判断する材料になります。

これは実際にあった事例ですが、周辺の家賃相場が8万7000円から9万1000円なのに、不動産会社は家賃を9万2000円で想定して投資家に売ろうとした物件がありました。

仮にたまたま今は相場よりも高い家賃で貸せていたとしても、次に空室が出たとき、周辺相場とは乖離があるため9万2000円では入居者が決まらず、最悪の場合、8万7000円まで家賃を下げなければいけない可能性があります。

たかが5000円とあなどってはいけません。家賃が5000円下がると、物件の資産価値は150万円ほど下がると言われています。想定家賃が適正かどうかを知らないと、本当の資産価値よりも割高で物件を購入することになりかねません。

適正家賃を知るには、賃貸情報サイトで同じ物件・同じ階・同じ広さの家賃をチェックしてもいいのですが、たまたま割高な家賃で募集していることもあるので、賃貸履歴を見るようにしましょう。投資家に対して誠実な販売会社なら、快く賃貸履歴を見せてくれるはずです。

また、信頼できる営業マンとつきあうことも重要です。見分けるポイントは、自分の状況や将来プランをしっかり聞き、それに合った提案をしてくれるかどうか。いきなり物件を勧めてくるような営業マンは論外です。

逆に、優良な営業マンは「今はその時期ではないです」と顧客を止めることもあります。営業マン自身が自分でも不動産投資をしていればなお良しです。

残念ながら、悪質な業者や営業マンがいるのは事実。一方で、知名度は低くても優良な会社はたくさんありますし、誠実な営業マンも多くいます。「不動産投資=危険なもの」というイメージだけで遠ざけてしまうのはもったいないと思います。

ぜひ複数の会社・営業マンの話を聞いてみてください(一定レベル以上の会社でも、自分に合う合わないはあるので)。

それでもパートナーや物件の見極めに不安がある方は、当社が手がけているような「不動産投資のセカンド・オピニオンサービス」を活用していただくのも一つの方法です。不安を解消し、ぜひ資産形成への一歩を踏み出してください。

【山本尚宏(やまもと・なおひろ)】
(株)WonderSpace代表取締役。1982年、神奈川県生まれ。2006年、東京大学理学部数学科を中退。在学中に司法試験の勉強を開始(短答式試験合格)。その後、オーセンスグループ(株)(現・弁護士ドットコム㈱)などを経て、2014年、(株)不動産投資の教科書を設立。投資家に「本当に良質な不動産投資会社だけをお勧めする」という経営理念のもと、業界の健全化に貢献すべく日々奮闘中。著書に、『99%失敗しない、不動産投資のはじめ方』(クロスメディア・パブリッシング)がある。 

WonderSpaceが運営するメディア「不動産投資の教科書」では、「収益用不動産セカンド・オピニオンサービス(AI無料診断レポート付き)」を手がけており、編集部のメンバーが中立・公正な立場で助言してくれる(相談無料。ただし年収500万円以上、会社員・公務員の方限定)。

(『THE21』2023年4月号特集「定年後ずっと困らない『お金の安心』を手に入れる方法」より)

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