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なぜ、仕事が予定通りに終わらないのか?

2016年02月24日 公開

佐々木正悟(心理学ジャーナリスト)

「作業ログ」があれば、ムダのない予定が立てられる!

「時間が足りない」が口癖の現代人。その理由の一つは、限られた時間の中にタスクを詰め込みすぎることにある。「限られた時間の有効活用」ではなく、「一定の時間内に、どれだけのタスクをこなせるかを自覚すべき」と語るのは、心理学ジャーナリストの佐々木正悟氏。その具体的な解決方法をうかがった。

 

すべてのタスクの「ログ」を取ろう

「仕事が予定通りに終わらない」最大の原因は、タスクを多く詰め込みすぎることです。私たちの時間は等しく1日24時間。この時間は伸びもしなければ、縮みもしません。たとえるなら、私たちはそれぞれ同じ大きさのスーツケースを与えられているようなものです。この中に入れる持ち物(予定)は自由。ただし、入る量は限られています。

 詰め込みすぎると、当然スーツケースは閉まらなくなります。モノならば、収めた時点で気づきますが、タスク(仕事)の容量オーバーはなかなか自覚できません。そうすると、TODOリストで効率的に仕事に取り組んでいるはずなのに、1日の終わりには予定分をこなせていないという事態になるのです。

 TODOリストさえ書き出せば、仕事はうまく回るというものではありません。いわばTODOリストは「欲しいモノリスト」。理想がすべて手に入らないのと同じように、今日やりたいタスクすべてをこなせないのは当然。お金と同様、時間は限られた資源なのですから。

 仕事時間内に着実にタスクをこなすには、TODOリストを実行に移す過程で、もう1つのステップが必要です。それは「作業にかかった時間のログをつける(記録する)」「それに基づいた予定を組む」こと。このスケジュール管理法を「タスクシュート時間術」と私は呼んでいます。

 たとえば、今日のタスクに「企画書作成」を入れたら、その作業時間を測り、ログをつけます。すると、1時間程度を見込んでいたつもりが、「現実は2時間かかった」と記録されるわけです(図参照)。このように、メールチェック、資料集め、報告書作成、経費精算──それぞれのタスクにどのくらい時間がかかったか、ログに残していきます。

 このログを残す作業を3日ほど続ければ、自分の平均作業時間が見えてきます。多少の増減はありますが、人が1つの仕事にかける時間は比較的、一定です。企画書作成に今日は30分、明日は3時間というのは、あまりありません。

 すると、自分が1日でこなせる仕事の量が明確になってきます。たとえば、企画書1本につき、2時間の作業時間とわかったとしたら、1日で企画書10本を作成し、会議や打ち合わせもこなすという無謀な予定は立てなくなります。1日のTODOリストに入れるのは、せいぜい2本までと段取りを立てられるようになります。

 タスクのログをつけることで、作業時間が正確に先読みでき、実現可能なTODOリストに近づいていく──これが段取りの第一歩です。

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著者紹介

佐々木正悟(ささき・しょうご)

心理学ジャーナリスト

1973年、北海道生まれ。97年、獨協大学卒業後、ドコモ・サービス〔株〕に入社。2001年よりアヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、ネバダ州立大学リノ校実験心理科博士課程に学ぶ。05年に帰国後、効率化と心理学を掛け合わせた「ライフハック心理学」の理論を打ち立て、講演活動と執筆業に携わる。『Evernote 仕事術』(東洋経済新報社)、『イラスト図解 先送りせず「すぐやる人」になる100 の方法』(KADOKAWA)など、著書多数。

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