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「優等生社員のワナ」第3回 できる人はあえて「調整しない」



2016年05月09日 公開

柴田昌治(スコラ・コンサルト プロセスデザイナー代表)

エキスパートほど「外」に出よう

一見、優秀に見えて実は会社の足を引っ張っている「従来型の優等生社員」。そんな人が陥りがちな5つのワナのうち、今回は残りの2つを紹介する。エキスパートと言われる人ほど陥りがちな問題とは?

 

エキスパートとは「ラクをしている人」のこと!?

連載第1回で、一見「できる社員」が陥りがちな5つの「ワナ」を紹介しました。その1つが、「自部門のみのエキスパート」になってしまうというものです。

1つの部門に長く在籍すると、確かに専門知識は身につきます。「人事のエキスパート」「財務のエキスパート」などと周囲から持ち上げられ、本人も「自分は他の人にはできない仕事を担っているのだ」と自負している。そんな人がみなさんの会社にもいるはずです。

ただ、仕事に慣れるということは、その半面で、深く考えなくても日々の業務をさばくことができるようになるということ。ある面で、自部門のみのエキスパートは「ラク」なのです。新人や若手に比べれば仕事の処理能力ははるかに速いので、会社にとっては確かに好都合ではあります。しかし、こうした社員ばかりが増えてしまうと、それこそ会社を滅ぼしかねません。

何が問題なのか。それは、自部門の利益しか考えなくなることです。会社全体、あるいは業界全体や社会全体という広い視野で物事を考えられなくなる。彼らにとって「全体=自部門」でしかないのです。それはやがて「自分さえよければ」「自部門さえよければ」という発想につながります。世の中を騒がし続ける企業不祥事の多くは、そんな現実認識から生まれると言っても過言ではないでしょう。

それを回避するには、さまざまな仕事を経験するのが近道。もし自分が「自部門のみのエキスパート」になっている自覚があるのなら、ぜひ進んで他部門への異動を願い出てください。

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著者紹介

柴田昌治(しばた・まさはる)

スコラ・コンサルト プロセスデザイナー代表

1979年、東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。
1986年に、日本企業の風土・体質改革を支援するためスコラ・コンサルトを設立。これまでに延べ800社以上を支援し、文化や風土といった人のありようの面から企業変革に取り組む「プロセスデザイン」という手法を結実させた。社員が主体的に人と協力し合っていきいきと働ける会社をめざし、社員を主役にする「スポンサーシップ経営」を提唱、支援している。2009年にはシンガポールに会社を設立。
著書に、『なぜ会社は変われないのか』『なぜ社員はやる気をなくしているのか』『考え抜く社員を増やせ!』『どうやって社員が会社を変えたのか(共著)』(以上、日本経済新聞出版社)、『成果を出す会社はどう考えどう動くのか』(日経BP社)などがある。

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