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いい年して幼稚な「ベビー社員」に振り回されないためには?

2016年07月19日 公開

田北百樹子(社会保険労務士)

「かまってほしい」「すぐすねる」……。
あなたの職場にもいませんか?

 近年、職場に、「いい年をして、行動があまりにも幼い大人たち」が段々と増えてきているという。たとえば、「特別扱いしてほしい」「常にかまってほしい」「思いどおりにならないと、すぐすねる」など。あなたも身に覚えはないだろうか。

 そんな大人になりきれない問題社員たちの精神的な未熟さに着目し、「ベビー社員」と命名したのが社会保険労務士の田北百樹子氏だ。新著『ベビー社員――職場をイライラさせる幼稚な人の深層心理』を発刊した田北氏に、そんな「ベビー社員」の特徴とその精神構造についてうかがった。

 

あなたの隣の「ベビー」な人たち

「もうそろそろ大人になって欲しい」と願う人が皆さんの周りにいませんか? いつまでも行動が幼い人が職場にいると、周囲にいる人はとんでもない迷惑を被ることになるのですが、当の本人に自覚はありません。

 むしろ「周りが自分に気をつかってくれること」にウキウキし、仕事よりも自分がどう扱われているか気になって仕方がない。不当だと思う扱いを受ければ、どのような手段を使ってでも自分の正当性をアピールし、泣いたり、人を無視したりと、大人とはかけ離れた行動で周りを悩ませます。

 企業は人が集まる集合体ですから、そこには濃蜜な人間関係が存在し、毎日顔を合わせることが日常となります。長い時間を過ごす場所ですから快適であるに越したことはありません。企業側もそれを意識し、机の配置から椅子の硬さ、休憩室の確保や備品の支給、制服のデザインまでありとあらゆることに気をつかい、日々の仕事で成果を上げられるよう試行錯誤しています。

 しかし、会社の備品や制服にクレームをつける人は少なく、ほとんどの不満は人間関係に集中しています。仕事をしに来ているはずなのに、なぜクールな人間関係が構築されずにドロドロの愛憎にまみれた関係が職場を覆っているのか。それは大人になりきれない子供の心を持った人が、職場で大なり小なりの影響力を発揮しているからです。

 もちろん、当のベビー社員にも言い分はあると思います。中には本書(『ベビー社員――職場をイライラさせる幼稚な人の深層心理』)を読んで頭にくる方もいらっしゃることでしょう。あまりにも「自分にドンピシャ」で気が滅入る方や、「だからと言って自分が悪いのですか? 私は職場でこんな扱いを受けて云々」と私に牙を剝く方もいらっしゃるかもしれません。

 そのような方はこれ以上読み進めることをせず、別の書物をお探しください。感情をコントロールできず、自分の赴くまま行動してしまう─それはワクワクドキドキする反面、リスクが伴う、という事実は、大人であれば理解できることです。「大人になりきれない自分が好き」という方は、その思いを満たしてくれる書物がきっとどこかにあるかと思いますので、そちらで気持ちを満たしてください。

「いつまでも純粋な心でいたい」という気持ちは、向かうベクトルを間違うと「幼い人」「わがままな人」という印象を他者に与えることになります。それが10代や20代前半であればまだ幼さが残っていて、周囲の人も「なんとかしてあげたい」といった母性本能が働くものです。ですが、30代以降にもなると「今まで何を学んできたのだ」と厳しい目が向けられます。その厳しい目を向けられた時、感情を上手にコントロールできない人は、激しい憎悪と共に湧き上がる怒りを、遠慮なく相手にぶつけてしまいます。

 周りが驚く行動は何パターンかありますが、感情コントロールの苦手な人に多いのは「キレる」「泣く」です。その激しい興奮を伴う言動に周囲の人たちは振り回され、なだめることに難しさを感じることになります。

 泣いたりキレたりするのは、自己愛が傷つけられたと感じてしまうためと考えられます。「キレる」「泣く」の原因が他者ではなく自分のためなので、「泣くほどのことをしてしまって悪いことをした」と周りが反省することは少なく、「扱いの難しい人」という印象を持たれるのもベビー社員の特徴です。

 泣くことやキレることが「自分以外の誰かのため」だと、共感して一緒に泣いたりキレたりする人が現れて、美しい行動に見えることも時にはあります。しかしベビー社員の場合は「自分のためだけ」に行動を起こすので、人から共感を得ることが難しいのです。

 自分を大事にしてくれない、持ち上げてくれないことへの怒りは体内で「不満」という名のガスに変わり、常に充満状態です。溜まった不満ガスに何らかの要因で火がついた途端、一気に爆発してしまうのでしょう。

 さらに「キレる」「泣く」も大変ですが、「周りと上手に調和を保つことよりも、自分が目立ちたい」という欲求もやっかいです。この衝動が優先されると、「これだけはやめようね」とチームで約束したことをあっさり破ってしまいます。「目立ちたい」という意識が人並みはずれて強いと、大事な場面でも我慢できす、自分を出してしまうのです。

 

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著者紹介

田北百樹子(たきた・ゆきこ)

社会保険労務士

新聞・雑誌で大反響を呼んだ「シュガー社員」の名付け親。札幌市出身。平成8年1月に「田北社会保険労務士事務所」を開業。保険関係の届出、就業規則作成、人事考課制度導入指導、社員教育、ビジネスマナー講座DVD制作、異業種ビジネス交流など、多方面に活動を展開している。主な著書に『シュガー社員が会社を溶かす』『ブラック企業とシュガー社員』(以上、ブックマン社)、『「シュガー社員」から会社を守れ!』『問題社員の取扱説明書』(以上、PHP研究所)などがある。

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