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棚橋弘至の「全力」お悩み道場8(最終回)~風向きが変わるのを待て!

2016年12月08日 公開
2023年05月16日 更新

棚橋弘至(プロレスラー)

友達がいないとダメなのか?

Q3 私には今、友人と呼べる人がいないことに気づきました。よく考えると昔から、長くつきあえる友達に出会っていない気がします。友達がいない人生でもいいのでしょうか? また、大人になってからでも、友達はできるでしょうか?

たしかに大人になると、友達って作りにくいですね。子供の頃は、学校に通って机を並べているだけで友達ができました。でも、会社だと上下関係があるし、同僚もライバルだったりするので、子供の頃と同じようにはいかない。そのことは僕も実感しています。

それでもやっぱり友達はいたほうがいい。そこで新しい友達を作る方法を二つ、ご紹介しましょう。

まず一つは挨拶です。何年か前、水道橋博士に岡山駅のホームでばったり会いました。僕は博士と直接の面識がありませんでしたが、博士が格闘技好きであることはよく知っていたので、こちらから挨拶に行きました。

すると翌日、博士はブログにこう書いてくれました。
「昨日出会った棚橋選手があまりに好印象(中略)。挨拶は身を守る鎧であり人の繋がりの架け橋だ」

まさに博士の言うとおり。挨拶は、人と人をつなぐきっかけになります。僕はこの言葉に感動して、いままで以上に積極的に挨拶をするようになりました。

挨拶は「こんにちは」というだけでなく、一言二言つけ加えることが大切です。さらに別れた後も、「今日はありがとうございました」と一言、メールで送っておく。小さなことですが、それだけでずいぶん友達ができやすくなったように感じます。

もう一つは、趣味からアプローチする方法です。先の相談の中でも言いましたが、僕はモンハンというゲームが好きです。モンハンはオンラインで他のプレイヤーとチームを組んで遊べます。チャット機能もついているので会話も可能。中には、モンハンがきっかけでリアルな友人関係になる人もいるそうです。

ちなみに僕は「逸材」という名前でプレイヤー登録をしています。たまに「えっ、棚橋?」と反応を示してくれる人もいますが、「そうだよ」と答えても、なりすましだと思われてなかなか信じてもらえません(笑)。

少し話が脱線しましたが、趣味の分野なら共通体験が多いので、友達を比較的作りやすいはず。昔はマニアックな趣味の場合、仲間を見つけることが大変だったと思います。でも、今はSNSで同じ趣味を持つ仲間がすぐに見つかる時代です。同じ趣味の友達を見つければ、人生楽しくなるんじゃないかな。

 

《『THE21』2016年8月号より》

著者紹介

棚橋弘至(たなはし・ひろし)

プロレスラー/新日本プロレス所属

1976年、岐阜県生まれ。98年、入門テストに合格。99年、立命館大学法学部を卒業後、新日本プロレスに入門。同年デビュー。2003年、初代U-30王者。06年、IWGPヘビー級王座を初戴冠。09年、11年プロレス大賞MVP。14年、第7代IWGPインターコンチネンタル王者に。第45代、47代、50代、52代、56代、58代、61代IWGPヘビー級王者。著書に、『全力で生きる技術』(飛鳥新社)など。

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