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「内臓の疲れ」を自覚しよう!

2018年02月08日 公開
2023年03月23日 更新

井本邦昭(井本整体主宰)

プロ直伝の「自然治癒力」強化法

病気でもないのに「なんとなく内臓の調子が悪い」──そう感じる人も多いのではないだろうか。「その原因は『内臓の疲れ』にあり」と指摘するのは、人体力学を通じて何十万人もの不調を改善してきた井本邦昭氏だ。病気の早期発見や予防にもなる「内臓の疲れ」を知る方法と、自分でできる内臓メンテナンス方法を教わった。

 

内臓の疲れに気づかなくなっていませんか? 

 近年、「内臓」がこれまでになく注目されています。以前は「脳の命令を受けて動く」と考えられていた内臓ですが、実は自らメッセージを発し、脳やほかの臓器と連絡を取り合いながら働くことがわかってきたのです。胃や腸・肝臓・膵すい臓ぞうなどの臓器は、互いに連携をとりながら、消化活動や呼吸や血流の調整を行なっています。ひとつの臓器をほかの臓器がフォローすることもあり、胃が不調なときは腸が消化の手助けを行なっています。

 反面、負担が継続的にかかると、不調の連鎖が起こります。胃の酷使が続いた結果、腸もフォローしきれずに不調になり、それを手助けしようとするほかの臓器にも悪影響が出る、という負の連鎖です。

 現代人、とくに疲労の溜まりやすいビジネスマンにはそうしたケースがよく見られます。暴飲暴食による胃腸の疲れはもちろん、ストレスや睡眠不足が内臓に悪影響を及ぼすことも少なくありません。

 もっとも危険なのは、内臓の疲労を自覚できなくなること。継続的な疲労状態に慣れてしまい、不調に対する感受性が落ちた状態です。それを何年も放置すると、ガンや脳卒中など、大きな病気につながる恐れもあります。

 それを防ぐには、定期的に身体をチェックするのが一番。下に紹介している「腹部調律点」は、そのもっとも有効な方法の一つです。腹部にある調律点をゆっくりと指で押さえ、硬すぎる・緩み過ぎている等の感触から、自分の内臓の状態を把握してください。

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「内臓の要求」に従って生活するのが一番  >

著者紹介

井本邦昭(いもと・くにあき)

井本整体主宰・医学博士

1944年、山口県生まれ。井本整体の創始者である父に5歳から指導を受ける。その後ヨーロッパにおいて鍼灸を指導する傍ら、ドイツのヘルベルト・シュミット教室等で西洋医学を修める。父の没後は井本整体を継承、全国5ケ所の指導室で指導にあたり、国外でも整体法の普及に努める。『内臓を強くする整体法』(高橋書店)ほか著書多数。

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