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人生100年時代の「ライフシフター」的仕事術

2018年03月13日 公開
2018年03月13日 更新

小暮真久(TABLE FOR TWO International代表)

日本人はもっと「直感」や「感覚」に頼っていい!

テクノロジーが進化し、グローバル化が進む現代において、働く場所や環境を変え、自ら人生をより良い方向に導いていく「ライフシフター」的な働き方が重要だと、NPO法人TABLE FOR TWO Internationalの代表・小暮真久氏は言う。そんな働き方を実現するために必要なスキルとはどのようなものだろうか。

 

働く環境を柔軟に変えるライフシフターとは?

 途上国の飢餓と先進国の健康問題の解消に同時に取り組むという独自のプログラムを展開するNPO法人「TABLE FOR TWO(TFT)」。代表の小暮真久氏は、海外の大学院で人工心臓の研究をしたのち、外資系コンサルティングファームや日系企業を経て、TFTを起業。海外経験も豊富で、2014年から3年間はイタリアに移住するなど、働き方を次々と変えてきた人物だ。そんな小暮氏が考える「これからの時代の働き方」とはどんなものだろうか。

「私が新しい働き方のキーワードになると考えているのが、“ライフシフター”です。

 これは、働く場所や環境を柔軟に変化させ、人生をより良い方向に転換しながら自分らしい生き方を見つけていく人たちのこと。他人から見れば、『あの人、脈絡のないことばかりやっているよね』と思われても、本人の中では自分が好きなことや得意なことを常に探していて、挫折や失敗がありつつも、最終的には自分の中に一本の軸を作り上げていく。それが、これからの時代に幸せになれる働き方であり、生き方ではないかと思います。私がいろいろな仕事や職場を経験してきたのも、別に最初から計画していたわけではなく、常に面白いことやワクワクすることを探し続けた結果ですから」

 といっても、小暮氏はすべての人に転職や起業を勧めているわけではない。「一つの会社で働き続けたとしても、ライフシフターとして生きることは可能」というのが小暮氏の考えだ。

「同じ組織にいても、自分で工夫しながら仕事や働き方をアップデートしていける人は、立派なライフシフターです。反対に、職場を変えても、過去の成功体験にしがみついて同じことを繰り返していたら、時代にフィットした働き方を実践するのは難しいでしょう」

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著者紹介

小暮真久(こぐれ・まさひさ)

TABLE FOR TWO International 代表

1972年、東京都生まれ。早稲田大学理工学部卒業後、オーストラリアのスインバン工科大で人工心臓の研究を行なう。99年、修士号取得後、マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社に入社し、幅広い業界のプロジェクトに従事。2005年、松竹入社、事業開発を担当。経済学者ジェフリー・サックスとの出会いに感銘を受け「TABLE FOR TWO」プロジェクトに参画。07年、NPO法人TABLE FOR TWO Internationalを創設。著書に『20代からはじめる社会貢献』(PHP新書)、『人生100年時代の新しい働き方』(ダイヤモンド社)など。

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