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中学入試に英語が急増している背景とは?

2018年03月22日 公開
2018年03月22日 更新

三石郷史(キャタル代表取締役社長)

「上位校」も動き出している

これに加えて、2019年からの新しい動きとしては、上位校にもこの流れが波及したことです。

今までは中位校以下の学校がこの流れを先導していました。しかし、2019年以降は上位校も加わってさらに激化が予想されます。たとえば、慶應義塾湘南藤沢中等部が19年から入学試験に英語の導入を発表しています。一部サンプル問題も出ていて、TOEFLや英検準1級レベルの難易度が予想されます。

 

中学受験に必要な英語力の目安は英検3級程度

前述した湘南藤沢のような上位校の問題は難易度が非常に高いですが、多くの中学入試の英語力については、英検3級程度だと思われます。

小学校では3年生から外国語活動として導入され、5、6年生の英語が教科化されます。現在の小学校の英語の時間だけの勉強では、英検3級程度の英語力をつけるのは難しいと思われています。

しかし、4年間の英語学習により、初めて英語を学びはじめた児童が、英検3級程度の英語力を身につけることは可能です。各小学校は、社会の基準に合わせてそれに叶う英語力を身につける授業を行うべきです。それができなければ、家や、塾などで学校プラスアルファのトレーニングができる人だけが、英語受験ができることになってしまいます。

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著者紹介

三石郷史(みついし・さとし)

株式会社キャタル代表取締役社長

慶應義塾大学卒業後、メリルリンチ証券に入社。英語に苦労した経験から、「次世代に同じ思いをさせないで学べる場所を作ろう」と「小中高生をバイリンガルにする英語塾キャタル」を創立。海外経験なしの小学校5年生が英検1級に合格、慶應義塾ニューヨーク学院など、400人以上の留学を後押し、IVY LEAGUEの進学者輩出、といった実績が評判を呼んでいる。
現在、教育に携わるゲストを招く教育ラジオ番組『In the Dreaming Class』のパーソナリティを務める。

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