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確実に契約に結びつく営業マンの心理テクニック6 

2018年04月18日 公開
2023年03月23日 更新

菊原智明(営業コンサルタント)

 

「初対面」で役立つ心理テクニック

初対面1
実際よりも「すごい人」と思わせて第一印象をグッとアップする

「営業マンの存在など眼中にない」という素振りでこちらの話にまったく興味を示さないお客様。そのような相手に、「この人はすごいかもしれない、話を聞いてみよう」と思わせるには、営業マンのあなたにプラスαの情報を付加して自己紹介するのが効果的です。私自身、初対面の男性に職業を聞かれて、「営業のコンサルタントと、地元の大学で講師をしています」と答えたら、「大学の先生なんですか!」と驚かれ、尊敬のまなざしで見られた経験があります。大学講師というイメージが、私を実際以上に良く見せてくれたのです。

 このように、相手に対して何か一つ良い印象を持つと、全体的に実際よりも高く評価することを「ハロー効果」と言います。もしあなたが何かの資格や珍しい特技を持っているなら、営業トークに交えてみてください。資格でなくても、「最近〇〇を勉強していましてね」と言うだけでもOK。人は、自分ができないことができる人を優秀だと思ってしまうものです。魅力的なひと言を加えるだけで、あなたの評価がグッと上がり、相手はあなたに好印象を持つでしょう。

 

初対面2
積極的に「自己開示」すれば相手は興味を持ってくれる

 商品の説明をするだけでは、お客様が警戒して、なかなか心を開いてもらえない──。そのような場合でも、自分の趣味や家族など個人的な話をすると、偶然にも家が近所だとか、趣味が同じだとかで話が盛り上がることがあります。あるいは、自分の失敗談などちょっと恥ずかしい話を披露したら、かえって相手に親近感を持たれたり、「実は私もそうなんです」と相手も踏み込んだ話をしてくれたりして、一気に関係が深まることもあります。自分に関する個人的な情報を相手に伝えることを「自己開示」と言いますが、自分から自己開示することで、相手との距離を近づけることができます。

 また、自己開示された相手も、「そこまで話してくれたのだから、自分も話そう」という気持ちになって、同じ程度の自己開示をするという「返報性のルール」が知られています。ただし、自己開示は自分の会社や上司の話ではなく、自分自身の話にするのがいいでしょう。ましてや、会社や他人の愚痴は聞くほうもいい気持ちがしません。相手と共有できる話を自己開示しながら、お客様との距離を一気に縮めましょう。

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著者紹介

菊原智明(きくはら・ともあき)

営業コンサルタント/営業サポート・コンサルティング㈱代表取締役

1972年、群馬県生まれ。大学卒業後、トヨタホームに入社。クビ寸前のダメ営業マン時代を経て、顧客へのアプローチ方法を変えたことをきっかけに4年連続トップの営業マンに。2006年に独立し、現在は、企業研修や経営者や営業マン向けのセミナーなどを行なう。著書に、『<完全版>トップ営業マンが使っている買わせる営業心理術』(明日香出版社)など。

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