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40代から考える「もめない相続」の準備とは?

2018年05月19日 公開
2023年03月16日 更新

笠原清明(税理士)

相続トラブル回避のために、今すぐやっておくべきこと

相続順位

相続対策は親が亡くなってから始めるものではない。もめない、困らない相続のため、生前から手を打てることはたくさんある。

今のうちから相続の基礎を知り、トラブルを回避する方法、そして相続税への対策を学んでおこう。税理士の笠原清明氏に、知っておきたい必要最低限の知識を教わった。

 

相続の「順位」を知っておこう

「我が家が相続について考えるのはまだ早い」という家庭は多いと思います。ただ、万一が起きてからすべてを行なおうとすると、手続等の煩雑さに追われ、もめ事の原因になることも多々あります。今後の人生をゆっくり落ち着いて過ごすためにも、ぜひ、早いうちに相続のことを知っておくべきです。

ここではまず、相続の基本について説明したいと思います。

ある人が亡くなり(被相続人)、その資産を残された家族(相続人)が引き継ぐのが相続ですが、相続に関してまず最優先されるのが「配偶者」、つまり亡くなった方の夫や妻です。それに続く「第一順位」が被相続人の子供。「第二順位」が被相続人の両親。そして「第三順位」が被相続人の実の兄弟となります。

もしも第一順位である被相続人の子供が亡くなっている場合、その子供(つまり孫)がいれば孫が第一順位の相続人となります。もし、子供も孫もひ孫もいない……ということになると、第二順位に移り、それもいない場合、第三順位に移る。これが基本です。

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「遺言」があるからモメない……というのは大きな誤解 >

著者紹介

笠原清明(かさはら・きよあき)

税理士

1957年、埼玉県さいたま市に生まれる。79年、税理士試験に合格。80年、中央大学商学部会計学科卒業後、公認会計士長隆事務所に入所。84年、東京都新宿区で開業。現在、社団法人・ソフトウェア開発・小売・建設・上場子会社など、約100社の税務に関わる。著書に『知って得する相続 揉めて損する相続』(PHP文庫)など。

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