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AI・ビッグデータ時代の今こそ学ぶべき「分析」の作法とは?

2018年05月29日 公開

嶋田毅(グロービス経営大学院教授)

 

昔のように物事がうまく運ばず、先の見えない現代において、「分析」はビジネスにおける最も重要なプロセスである。しかし、時間の割に成果が見えなかったり、本来の目的を見失ったりしている人は、案外多いのではないだろうか。

そこで今回は、グロービス経営大学院教授の嶋田毅氏が、グロービスで教えている「分析の基本」を丁寧に解説した新著『[ポケットMBA]正しい意思決定のための「分析」の基礎技術』の中から、「そもそも良い分析とは何か」、その定義について解説した文章を一部抜粋して紹介する。

 

まず分析の「目的」を明確にしよう

世の中は分析で溢れています。皆さんの会社の中だけを見ても、分析資料がそこかしこにあるはずです。それだけ分析という作業は多くのビジネスパーソンにとって身近な存在と言えるでしょう。

ところで、分析とは何のために行うのでしょうか? 若いビジネスパーソンの中には「上司に指示されたので」と答えられる方もいるかもしれませんが、それでは受動的すぎますし、ビジネスパーソンとしての能力は上がりません。目的意識をしっかり持つことが、分析に限らずビジネス活動全般において必要不可欠です。分析は経営においてそれ自体が目的ということはなく、あくまで手段ですから、その先に必ず目的が存在するのです。まずはそれを意識しましょう。

では、改めて分析の目的とは何でしょうか? 厳密に言えば多種多様な目的がありえるでしょうが、ビジネスにおける分析の基本的な目的は、次の2点に尽きます。

 

1.正しい意思決定をすること

2.それによって組織を良い方向に動かすこと

 

事実、分析もせずに感覚だけでビジネスを進めてしまい、失敗に終わったというケースは少なくありません。たとえば、ちょっと競合について分析をすれば、自社が勝てる見込みが低いことがすぐに判明したはずなのに、市場の成長率にのみ目を奪われてしまって市場参入し、結局はシェアを上げることができないまま撤退したというケースはよくある話です。企業経営は意思決定の連続です。ある程度組織に大きなインパクトを与える意思決定については、やはり分析による裏付けが欠かせません。

逆に、そうした分析ができていれば、意思決定がより良いものになるだけではなく、第二の目的である、組織を良い方向に動かすということも自ずと容易になります。ポイントは納得感とモチベーションです。

「私は○○○を提案します。なぜなら、このような分析結果1があり、また、このような分析結果2もあるからです」と言われれば、聞いている方にとっても納得感は高まるでしょう。

人間は説明を求める動物とも言われます。「これをしたいので手伝ってほしい」「あれをしてほしい」と言われても、そこに説明がなければ納得感がありませんし、モチベーションにもつながりません。これでは、仮に意思決定が正しかったとしても、良い結果にはつながりにくくなるのです。

 

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