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予定を「長期」で俯瞰して、 自分の時間を コントロールしよう

2018年10月09日 公開

野口悠紀雄(早稲田大学ビジネス・ファイナンス 研究センター顧問)

多忙を極める経済学者の手帳活用法とは?

「手帳をどう使うか」は、「時間をどう使うのか」ということであり、その人の時間観が如実に表れるもの。より短い時間で生産性の高い仕事をするためには、どんな時間管理をすればいいのだろうか。『「超」整理手帳』の生みの親にして、数々のITツールを使いこなす野口悠紀雄氏に、タイムマネジメントおよび手帳の使い方、メモの取り方についてうかがった。

 

タイムマネジメントの理想は「真っ白な手帳」

 仕事において「タイムマネジメント」が重要なことは、いまさら言うまでもない。だが、経済学者の野口悠紀雄氏は、多くの人が「ある誤解」をしていると指摘する。

「それは、手帳を予定で埋めることがタイムマネジメントだと思っていることです。私はむしろ、『いかに用事を入れないか』こそがタイムマネジメントにおいて大事だと考えています。

 私の仕事は、書籍や論文の執筆です。執筆のためには、中断されない時間をいかに確保するかが重要です。つまり、手帳が真っ白であればあるほど、私の時間管理は成功だと言えます。

 私の仕事は執筆なので、誰にでも通用するかどうかはわかりません。ただ、どんな仕事でも、本来、すべき仕事やしたい仕事があるはずです。それに集中するためにいらない仕事を削るということは、あらゆる職種の人にとって重要だと思います。少なくとも、手帳が真っ黒になっているほうが良い、というのは間違いです」

 そのためには、「いかに用事を断るか」が重要だ。

「とはいえ、すべての予定を断ることは難しい。どうしても外せない用件がある場合は、なるべく、特定の期間内にまとめるようにしています」

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著者紹介

野口悠紀雄(のぐち・ゆきお)

早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問/一橋大学名誉教授

1940年、東京都生まれ。63年、東京大学工学部卒業。64年、大蔵省入省。72年、イェール大学Ph.D(経済学博士号)取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授などを経て、2011年より現職。著書に、『「超」整理法』(中公新書)、『「超」AI整理法』(KADOKAWA)など、ベストセラー多数。

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