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いつの間にか進んでいる「たばこ」の進化

2019年02月14日 公開
2023年01月30日 更新

『THE21』編集部

においも少なく、煙も出ない。様々なフレーバーも楽しめる

たばこを吸わない人でも、最近、普通の紙巻たばこではない、何やら機械を使った新しいたばこが流行っているということは知っているかもしれない。「加熱式たばこ」と呼ばれるもので、「アイコス(IQOS)」(フィリップ モリス ジャパン)や「グロー(glo)」(ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン)、そして「Ploom TECH(プルーム・テック)」(日本たばこ産業)といったデバイスがリリースされ、ユーザーをどんどん増やし続けている。とはいえ、普段たばこを吸わない人からすると、「普通のたばこと何が違うのかわからない」という声もまだ多いことだろう。実は加熱式たばこのなかには、においや健康懸念物質の周囲への飛散がほとんどなく、非喫煙者が思っている以上にクリーンな商品も登場している。たばこを吸う人と吸わない人が一緒の空間でリラックスして過ごすことも可能になっているのだ。進化するたばこの姿をレポートする。

 

「加熱式たばこ」と「紙巻たばこ」、一番の違いとは?

「アイコス(IQOS)」「グロー(glo)」そして「Ploom TECH(プルーム・テック)」……加熱式たばこの市場が拡大する中、名前は聞いたことがあっても、たばこを吸わない人にはその違いはよくわからないかもしれない。

実際、弊誌(THE21)編集部が読者モニターを対象に2018年10月に行なったアンケート調査でも、非喫煙者からは「普通のたばこ(紙巻たばこ)と何が違うのかわからない」という意見が多く見られた。

加熱式たばこと「普通のたばこ」(紙巻たばこ)とは何が違うのか。一番大きな違いは、紙巻たばこは火をつけてその煙を吸うのに対し、加熱式たばこは「火をつけない」「燃やさない」という点である。

「燃やさない」ことのメリットは、何よりも「燃やすことで発生する有害物質を削減できること」だ。燃やさないので煙が出ず、煙の代わりに蒸気が出る。周囲の非喫煙者の迷惑にもなりにくく、より「吸わない人に配慮したたばこ」であると言える。

ただし、「燃やさないで吸う」と言っても、その方法は商品ごとに違う。例えば、加熱式たばこの先行商品でありユーザーの多い「アイコス」の場合、加熱用スティックを充電して高温加熱することで、差し込んだたばこの葉から発生する蒸気を吸い込む、という仕組みだ。1本吸うと3~4分の充電時間が必要なので、連続で吸うことはできない。

「グロー」の場合も、本体の穴に専用のスティックを差し込み、高温加熱する仕組みだ。ただしこちらはバッテリー一体型で、連続して吸うことができる(約30本分)というのがメリット。

加熱式たばこ市場は、長くアイコスの独走が続いていたように思われた。そんな中で今、プルーム・テックが、様々なシーンに合わせて使い分けられるリラックス・アイテムとして進化を続け、巻き返しを図っている。

先述の「燃やさないで吸う」ための方法だが、「プルーム・テック」の場合は、他の二つとは異なる、独自の「低温加熱式」という方法を採っている。

プルーム・テックは大きく分けて「バッテリー」「カートリッジ」「たばこカプセル」3つのパーツで構成されている。バッテリーにカートリッジを装着し、たばこカプセルを差し込む。カートリッジ内にあるリキッドを熱し(約30℃ほどの低温。高温加熱の場合は200~350℃)、その際に出た蒸気をたばこカプセルを通じて吸い込む……という、いわばアロマオイルのような仕組みである。

アイコスやグローは高温加熱のため、独特のにおいが多少はあるが、プルーム・テックの場合はたばこ葉を直接加熱しないため、においもほとんどしない。紙巻たばこと比較すると、においは1%未満、健康懸念物質は99%カットという調査結果が出ている。そのため、周囲に非喫煙者がいる場合でも迷惑をかけずに吸える、クリーンでクリアーな加熱式たばことして浸透しつつある。飲食店でも「プルーム・テックのみ喫煙可」という店が徐々に増えているのだ。

プルーム・テックのもう一つの魅力はそのアイテムの多彩さだ。本体カラーは、もともとあったスタイリッシュな黒に加え、白も登場。限定版としてカラフルな模様がついたシリーズや、専用ケースなど関連アイテムも発売されている。

また、これまで銘柄は「メビウス」から様々なフレーバーが出ていたが、昨年末には「ピアニッシモ」銘柄のたばこカプセルが登場。「ストロベリーとマンゴーのMIX」「レモンティー」の2種類のフレーバーだ。これまでも様々なフレーバーが愉しめるのが特徴だったが、ピアニッシモの登場で、さらに選択の幅が広がり、女性人気も獲得している。

紙巻たばこに近い正統派な味わいから、フレッシュな果物系のフレーバーまで、気分によっても変えられる幅広い選択肢が魅力だ。

 

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