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<連載第2回>英語が苦手でも会議で存在感を発揮できる「あるフレーズ」とは?

2019年05月07日 公開
2023年03月06日 更新

戸塚隆将(ベリタス代表取締役)

日本人の強みは「数字に強い」こと

では、さらに一歩進んで、私たち日本人ビジネスパーソンが国際会議で存在感を発揮するにはどうしたら良いでしょうか?

日本人は、発言量でほかを圧倒することはできません。私たちは日本人の強みを活かした存在感の示し方で勝負すべきです。無理に同じ土俵に上がろうとせず、自分らしいやり方で臨むべきです。

日本人の強みの一つに「数字の強さ」が挙げられます。数字と聞くと、私は数学が苦手だったから無理、と思う読者の方もいるかもしれません。それでも、気を落とす必要はありません。ここでいう数字というのは、桁数の少ない四則計算も含みます。

日本の教育では、子どもの頃から計算演習が学校教育で重視されているため、自分の苦手意識とは裏はらに、グローバルに見れば日本人は平均的に計算は速く、数字に強いと言えます。

会議の場では、数字に基づいたファクトベースの議論の際に、おそれず、積極的に発言すると良いでしょう。そのためにも、数字を英語で表現できるように、復習しておくことが望ましいでしょう。

 

「What if~?」の問いかけが効果的

もう一つ、会議で存在感を発揮するコツがあります。それは、「What if 〜?」の問いかけです。たとえば英語のネイティブスピーカーの同僚が早口で発言していれば、それを受け止めた上で、「What if 〜?」(もし〜ならどうなる?)と言って、前提の怪しいところや論理が甘いところを指摘するのです。

What if 〜? という問いかけを使うと、議論の前提条件が変わったときに、結論がどのように変わるかという視点を提示することができます。効果的に使えば、新たな視点や意見を生み出すことに貢献できるのです。

会議が白熱すると、前提条件を置き去りにしたまま、あらぬ方向に話が進んでしまうことがあります。そうした場面で役に立つのがWhat if 〜?です。議論の整理役としてピリッと場を引き締めることができるでしょう。結論に達しそうな議論の最終段階では、What if 〜? と問いかけることで結論のたしかさをダブルチェックすることもできます。

What if 〜? は、英語で行なわれている細かな発言の一言一句を把握しなくても、活用することができます。ディスカッションを大局的に俯瞰し、発言内容の前提条件や論理構成をおおまかにとらえていけばよいからです。

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議論を整理できる人材は貴重な存在 >

著者紹介

戸塚隆将(とつか・たかまさ)

ベリタス代表取締役

1974年、東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。ゴールドマン・サックス勤務後、ハーバード経営大学院(HBS)でMBA取得。マッキンゼーを経て、2007年、ベリタス株式会社(旧シーネクスト・パートナーズ株式会社)を設立、代表取締役に就任。
同社にて企業のグローバル人材開発を支援するほか、HBSのケーススタディ教材を活用したプロフェッショナル英語習得プログラム「ベリタスイングリッシュ」を主宰。グローバル人材を輩出し続けている。著書に『世界のエリートはなぜ、「この基本」を大事にするのか?』(朝日新聞出版)等がある。
ベリタス株式会社
http://www.veritas-english.jp/company/
ベリタスイングリッシュ
http://www.veritas-english.jp/

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